2012 Fiscal Year Research-status Report
修辞的・統計的・文法的な情報を動的に重畳して表現するテキスト編集環境
Project/Area Number |
23650077
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Research Institution | Software Research Associates, Inc. (Key Technology Laboratory) |
Principal Investigator |
中小路 久美代 株式会社SRA(先端技術研究所), 先端技術研究所, 所長 (00345133)
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Keywords | テキスト編集環境 / 動的重畳表現 / ナレッジインタラクションデザイン |
Research Abstract |
本研究は,テキスト編集をおこなう際に,テキストの状態や構造を踏まえた視覚的な表現を効果的に持ち込むことによって,より良いテキストをより快適に書いていくことができるテキスト編集環境を目指すものである.書きつつあるテキストが現状ではどのような状態・状況にあるのかということを,書き手に対して視覚的にフィードバックし,その視覚的表現が,書きつつあるテキストのrepresentational talkback (表現からの語りかけ) を増幅するものとして作用することを狙っている. 研究初年度にあたる平成23年度は,書きつつあるテキストがいま状態どのような状況にあるかを視覚的に表現するための情報を動的に解析する技術の開発,およびその状況を編集環境に重畳表現するためのビジュアルインタラクティビティのデザインに着手した. 二年目にあたる平成24年度は,単語やフレーズといったテキストの部分表現のバリエーションの作成と保持,およびシミュレーションを行うためのツールのインタラクティビティのデザインとプロトタイプ実装に着手した.言葉遣いやフレーズといったものを決めかねていたり,ここはこう書きたいけれどもこの部分はまだちょっと確信が持てずに逡巡していたりといった,書き手の,書いている言葉やフレーズに対する確信の度合いやそれを選ぶ上での迷いといったものを、テキストを書いていく際に表現し見てとることが出来るようにするテキスト編集ツールMarkleftを構築した.リールというコンセプトをプレーンテキストエディタに導入し,文書のバージョンを分岐することなく,生成した言葉に対する複数案を同時に操作できるような環境となった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究開始時に予定していた,テキスト情報のバリエーションやシミュレーションとして効果的に比較することができるような視覚的な表現のデザインと,テキスト情報の一部が異なるバリエーション表現手法の構築,およびテキスト解析情報を視覚的に表現するタイポグラフィック表現手法の構築を個別にデザインした上でテキスト編集環境へと組み込むという計画を変更し,まずは初年度(平成23年度)に、テキスト編集環境と一体化したビジュアルインタラクションとしてデザインすることとして前倒しした.テキスト編集環境における書かれつつあるテキスト情報のリアルタイム解析処理機能の開発と,それを用いながらインタラクティブな視覚的表現のデザインを行った.平成24年度は,テキスト情報のバリエーションの視覚表現のデザインを重点的に行い,当初の計画通りの研究の進捗となった.
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Strategy for Future Research Activity |
研究最終年度は,初年度にプロトタイプを行ったテキスト編集環境と書かれつつあるテキスト情報を動的に解析する技術,および,本年度に着手したテキスト編集のバリエーションを作成しそれを効果的に視覚表現する手法のデザインという成果を統合し,より良いテキストを,より快適に書いていくことができるテキスト編集環境の実現を目指す.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
テキスト編集環境をプロトタイピングするための計算機を購入する.ここまでの研究成果を発表するために,国内会議2件の発表を予定している.また,研究成果の応用としてテキスト編集に類似する営為としてプログラミングに着目し,これを調査するための国際会議に出席することを予定している.
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Research Products
(1 results)