2011 Fiscal Year Research-status Report
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23650080
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
橋本 浩一 東北大学, 情報科学研究科, 教授 (80228410)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | ビジュアルサーボ / 変形推定 / 蛍光観察 / ROI自動設定 |
Research Abstract |
本研究の目的は、動く線虫の神経活動を定量的に評価するために蛍光画像の動画から蛍光発光強度を調べる領域(ROI:Region Of Interest)を自動設定する手法の開発である。本年度は、ビジュアルサーボの手法を適用し、線虫の運動と変形とを同時に推定する画像処理手法を開発した。具体的には1.線虫自身の変形により神経細胞(細胞体と軸策)も変形するが、どの領域を画像処理すればよいか。2.複数の神経活動を同時に計測するとき、蛍光画像中のどのピクセルがどの神経に対応するのか。3.複数の神経活動を同時に計測するとき、焦点ぼけを推定して補償する必要がある。これらの課題に対し、1.細胞変形モデルとモデルに基づくROI設定法を開発した。あいまいな輪郭を抽出するのに有効な動的輪郭モデルを開発した。2.解剖学により得られた神経地図を利用して、地図パターンと画像パターンのマッチングを行った。EMアルゴリズムの適用と解析を行った。3.顕微鏡において焦点が合うスライスは薄いので、すべての神経細胞に合焦することは原理的に不可能であり、注目するスライスに適切に合焦しなければならない。地図パターンのスライスを切り出し、パターンマッチングすることにより特定のz面をトラッキングすることを試みた。以上の成果を国際会議論文に発表し、過去のトラッキング、パターンマッチング、オートフォーカス手法などとあわせて雑誌論文で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
XY方向のトラッキングはロバストに実施できている。Z方向の位置合わせ、スライス推定はさらにアルゴリズムの改良が必要である。
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Strategy for Future Research Activity |
共焦点ユニットの導入によりクリアなZ蛍光像スライスが取得できることがわかったので、地図パターンとの照合が精度よく出来るようになると考えている。特定のスライスに注目することよりも、ある程度の深さをスキャンして3次元神経画像を構築する手法と並行して進め、ROI設定のロバスト性を高め、検出精度向上(カルシウム濃度変化の定量化)に取り組みたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額は本研究費により発表することを予定していた学会発表を次年度に延期することにより生じたものであり、平成24年度に複数の学会で発表することで平成24年度旅費とあわせて使用する予定である。
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