2012 Fiscal Year Annual Research Report
シミュレーション駆動パターン認識に基づくステレオ視覚の実現
Project/Area Number |
23650081
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
福井 和広 筑波大学, システム情報系, 教授 (40375423)
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Keywords | ステレオ視覚 / シミュレーション / パターン認識 / CG画像 / New Tsukuba Stereo |
Research Abstract |
本研究課題の目的は,従来の三角測量に基づく方法とはまったく異なるアプローチ“シミュレーション駆動パターン認識”に基づいてステレオ視覚を実現し,その有効性を示すことにある.具体的には,ステレオ左右画像の局所領域を連結したパターンに対して,その領域内の最大視差を出力する識別器を統計学習し,これを多数用意することでステレオ視覚を構築する.この際,統計学習において視差ラベルが付加された大量かつ多様なステレオパターンが必要となり,計算機シミュレーションにより生成する.本年度の成果は以下の通りである. (1)ステレオ視覚の機能を学習するために,標準的に使われている公開データベース Tsukuba Stereo datasetを3次元データとして忠実に再現したCGステレオビデオセット(New Tsukuba Stereo dataset)を構築した.このデータセットを用いて正解視差付きの左右ステレオ画像ペアを大量に生成し,これらを用いてステレオ視覚を学習させた. (2)オリジナルのTsukuba Stereo datasetを用いた性能評価を行った.その結果,提案法は左右画像のマッチングによる従来のステレオ視覚法と同等以上の性能を実現できることを確認した.これにより提唱する“シミュレーション駆動パターン認識”に基づくステレオ視覚ワークの実現可能性を示すことができた. (3)本研究成果を,パターン認識・コンピュータビジョン分野のトップコンファレンスの一つであるInternational Conference on Pattern Recognition (ICPR) 2013 において発表し,注目を集めた.さらに構築したステレオビデオデータセットをインターネット上で一般公開した.4月中旬の時点で世界の有力研究機関からのダウンロード数は約260に達している.
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