2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23650082
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
小室 孝 埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (10345118)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 画像合成 / ベイズ推定 / フレームレート / ぶれ補正 |
Research Abstract |
平成23年度は,暗闇での物体追跡と画像復元を実現するため,ベイズ推定の枠組みを用いて対象の運動と参照画像を同時に推定する手法を構築した.勾配を計算する際に,局所解に落ちないように,入力画像に強いローパスフィルタをかけた後に差分を取るようにすることで,より広い探索を行えるようにした.また,ぶれのある画像に対しては,運動推定により得られたパラメータを用いてぶれ補正を行うようにした. 提案手法の有効性を実証するため,人工的に生成した画像でのシミュレーションと実画像を用いた実験を行った. シミュレーションでは,人工的に生成した入力画像(モノクロ8ビット階調,512×512画素)を用いた.対象は256×256画素のlena画像とし,100フレームで半径100画素の円軌道を1周するものとした.画像には平均0,標準偏差σのガウシアンノイズを付加し,画素値が8ビットに収まるようにゲインとオフセットを調整した.推定に利用する範囲は128×128画素とした.ぶれのない画像でのシミュレーションでは,PSNRが-6dBまでの入力画像に対し,画像復元を行うことができた.また,提案手法は他の手法に比べて推定軌跡の誤差が小さくなった. 実画像を用いた実験では、IEEE1394モノクロカメラGrasshopper(Point Gray Research Inc.)で書籍の表紙を撮影し,画像サイズ640×480の右半分を切り出して使用した.フレームレート60fps,フレーム数100で,カメラから対象までの距離は約150cmであった.トラッキングと復元の領域は128×128画素とした.その結果,被写体照度0.01lx以下(照度計の測定限界)の暗闇環境で撮影した動画像に対し,物体追跡と画像復元を行うことができた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の計画では、計算機シミュレーションまでの予定であったが、実画像を用いた実験まで行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、カラー画像への対応、回転等のより高い自由度の運動を仮定した実験、背景が存在する場合の領域分割などを行うとともに、実画像を用いた実験をより多くの対象物に対して行い、提案手法の有効性を確実なものにする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度の研究費の主な使途として、前年度の成果の国内学会、国際会議での発表が挙げられる。また、精度の高い照度計や新しい高速カメラ、および実験用PCの購入を予定している。
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