2011 Fiscal Year Research-status Report
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23650090
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
岩村 雅一 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80361129)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日浦 慎作 広島市立大学, 情報科学研究科, 教授 (40314405)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 符号化撮像 / パターン認識 / ぼけ / ぶれ |
Research Abstract |
本年度はフォーカスが合わない文字を認識することにテーマを絞り、パターン認識を目的とした符号化撮像の新しい方式の開発に注力した。符号化撮像でぼけのない画像を得るときには撮影対象のぼけの程度(奥行き情報)が必要となる。パターン認識を目的とする場合でもこれは同じであり、ぼけの程度を従来とは異なる方法で求めることが本研究の新しい点である。ぼけの形状は絞りの形で決まり、ぼけの程度は焦点面からの距離に比例するため、理論的には絞りを拡大したぼけ関数を用意し、認識対象パターンとぼけ関数を畳込めば符号化撮像によって得られるぼけたパターンが得られる。そのため、まずは認識対象パターンと撮像したぼけたパターンから逆畳込みによってぼけ関数を得て、ぼけ関数が絞りの何倍の大きさなのかを調べることで奥行き情報を得ようとした。しかし、この方法はノイズに弱いなどの欠点があり、うまく行かなかった。そこで逆畳込みの代わる方法として、ぼけたパターンと認識対象パターンの相関を求めて画像化する方法を考案した。この方法は、ぼけたパターンと認識対象パターンの字種が同じであれば相関の画像が拡大された絞り形状になり、字種が異なればそうはならないことを利用している。数字10字種を対象とした実験の結果、ぼけの程度が中程度までの場合は比較的良好な結果が得られ、撮像素子で発生する正規ノイズの影響もあまり大きくないことがわかった。このことから、提案した方式を磨き上げることにより、ぼけの影響を受けにくいパターン認識が実現できる可能性がある。ただし、まだ実験が不足しているため、実験の量を増やすことが必要であり、これは今後の課題である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度中に新しい方式を考案することは当初計画通りであったが、評価実験を十分に行うことができなかった。早期に評価実験を行い、手法のブラッシュアップを行いたい。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は認識方式の考案に予想以上の時間を費やしてしまったため、十分な量の実験が行えなかった。そのため、今回考案した方式の性能を評価するために実験を追加することを考えている。特に撮影画像の解像度による影響、字種が増えた場合の影響、背景の影響などを検討する。また、絞り形状の検討もひつようである。現在使用している絞りの形状は一般的な画像を対象としてぼけのない画像を得るために考案されたものであり、必ずしもパターン認識に適したものである保証はない。そのため、パターン認識に適した絞り形状の設計に着手したいと考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究打ち合わせ及び本年度得られた結果を学会で発表することと資料収集のために旅費を使用する予定である。実験を行うための機材購入ならびに実験を効率的にすすめるためにアルバイトを雇用することも考えている。
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