2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23650090
|
Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
岩村 雅一 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80361129)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日浦 慎作 広島市立大学, 情報科学研究科, 教授 (40314405)
|
Keywords | 文字認識 / 符号化開口 / コンピュテーショナルフォトグラフィ / テンプレートマッチング |
Research Abstract |
2012年度も2011年度に引き続きフォーカスが合わない文字の認識に注力し、2011年度に考案した認識対象パターンと開口形状の畳み込みによってぼけたパターンのぼけ具合を推定する方法について、定式化と高速化を行った。まず、2011年度に提案した手法の認識原理を数式で表し、認識対象クラス数に比例した計算量が必要なことを確認した。そして、前述の数式を変形することで高速化できる余地があることを見出した。従来は認識パターンとぼけの度合いを同時に推定していたのに対して、新しい方法はそれらを別々に推定することによって、計算量の爆発を避けている。 英数字62字種を使った実験では、認識性能を落とすことなく、2011年度に考案した手法の処理時間を1/3程度に削減することに成功した。認識対象クラス数が増えれば、その効果はより大きくなる。認識性能と計算時間はトレードオフの関係にあるが、デンドログラムを用いて認識対象パターンを階層化することで、ちょうど良いパラメータが得られたと考えられる。さらに、通常用いられる円形開口や既存のMURAやVeeraraghavanの開口形状を比較した実験では、Veeraraghavanの開口形状が最もノイズに対する頑健性が高いことが確かめられた。 上記の項目に加えて、ぼけたパターンの認識に適した開口形状についても検討した。2012年度は特に奥行き推定に適した開口形状について検討し、新たな開口形状を提案した。実験の結果、奥行き推定の性能は従来手法を上回ったものの、パターンの照合では従来の性能を下回った。その結果、従来手法の方が認識に有効であるという結論が得られた。これを踏まえて、2013年度は奥行き推定性能のみでなく、パターン照合の性能と組み合わせたときに性能を発揮できる開口形状のデザインを目指す。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初の計画では、2年の研究期間の間にぶれとぼけの両方に対して頑健なパターン認識手法を提案するとしていた。しかし、これまではぼけに関する対処しかできておらず、ぶれに対しては手つかずである。そのため、当初計画から見れば、研究の遂行は遅れている。
|
Strategy for Future Research Activity |
2013年1月の学会発表で有力な従来手法である被写界深度を拡大する手法との善し悪しについて質問され、従来手法との比較が必要と感じた。そこで、まずは既存の手法と比較し、従来手法に対して優位となる状況を検証する。 提案手法の認識対象については、現在文字パターンの位置がずれても認識可能であるが、拡大縮小、回転に対してはまだ対応できていない。これらの変形を受けたパターンが現在の枠組みで認識可能化について検証する。 当初はぶれへの対処のみでなく、ぼけへの対処も研究計画に含まれていたが、ぶれへの対処に予想以上に時間がかかっているため、2013年度も当面はぼけへの対処に注力し、ぼけの研究が一段落してからぶれへの対処に移行することを考えている。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究費は主に研究遂行のための消耗品と資料収集や成果発表のための旅費に用いる。 また、実験補助者の雇用のための人件費にも使用する予定である。
|
Research Products
(3 results)