2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23650091
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Research Institution | The Institute of Statistical Mathematics |
Principal Investigator |
松井 知子 統計数理研究所, モデリング研究系, 教授 (10370090)
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Keywords | 機械学習 / 統計科学 / かな書 |
Research Abstract |
平成25年度は、(1)「かな書」データベースのアンケート内容の精査、(2)「かな書」データから疲労感や気分、肩・首・腕などの凝り、体温、血圧などを推定するSVM(Support Vector Machine)に基づく学習機械の構築を行った。 (1)については、各被験者の回答のしかたの違いを考慮して、回答値の正規化を試みた。 (2)については、「かな書」画像特徴量および学習機械の汎用性について検討を行った。画像特徴量については、SIFT(Scale-Invariant Feature Transform)とHOG(Histograms of Oriented Gradients)について性能比較のための実験を行い、SIFTの方が少ない次元数の表現であるにもかかわらず、高い性能が得られることを確認した。学習機械の汎用性に関しては、被験者別に本人のデータを用いて学習機械を学習した場合と、本人を除くその他の複数の被験者のデータを用いて学習機械を学習した場合の性能を比較した。その結果、両者の性能に大きな差は見られず、肉体的疲労感や凝りについては約9割、体温については約8割、血圧については約7割の推定精度を示すことを確認した。これは、一般には被験者ごとに学習機械を構築した方が、各被験者の「かな書」およびアンケート回答の個性が反映されるために高い性能が期待できるが、一方で本実験では各被験者の学習データ数は15~27個であり、比較的少ないために両者に大きな差は見られなかったと考えられる。 本研究によって、「かな書」には疲労感や気分、肩・首・腕などの凝り、体温、血圧などに関連した潜在的な特徴が含まれており、学習機械によってそれらの特徴を捉えられる可能性があることが分かった。今後は、データベースをさらに充実させていくなど、実用性について検討を進めて行きたい。
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