2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23650116
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
安永 守利 筑波大学, システム情報系, 教授 (80272178)
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Keywords | 遺伝的アルゴリズム / 組み合わせ問題 / 電磁ノイズ / 配線 / プリント基板 |
Research Abstract |
本研究の目的は,既に提案している“セグメント分割伝送線”を用いた電磁ノイズの低減が可能な新たな配線構造の提案である.セグメント分割伝送線は,デジタル信号の品質を改善するために提案された配線構造であり,特性インピーダンスと長さの異なった複数のセグメントから構成される. 2年間の研究期間において,昨年度は,分岐配線系(1GHz・15cmクロック信号系)についてセグメント分割伝送線を適用し,その有効性を示した.本年度は,実用的な伝送系であるインダクタンスを含む系,および,有損失系を対象に評価を行った.また,信号としては,クロック信号より汎用的であるランダム信号とした. この結果,インダクタンスを含む系においてはアイパターンの評価において,アイ開口電圧改善率2.7倍,アイ開口時間改善率1.3倍,ジッタ改善率2.5倍の信号品質改善を実現することができた.また,有損失系においては,アイ開口電圧改善率1.7倍,アイ開口時間改善率1.1倍の信号品質改善を実現することができた. さらに,試作により電磁ノイズ(EMI)を実測した(実測は,茨城県工業技術センタの電波暗室を使用した).その結果,インダクタンスを含む系において,最大水平方向電界強度41dBuV/m(@290MHz),最大垂直方向電界強度36dBuV/m(@220MHz)であり,VCCI第1種,第2種(3m)の規格範囲内となった.また,有損失系においても,最大水平方向電界強度41dBuV/m(@390MHz),最大垂直方向電界強度40dBuV/m(@290MHz)であり,VCCI第1種,第2種(3m)の規格範囲内となった. 以上の結果より,セグメント分割伝送線を用いることにより,信号品質の改善を実現しながら,電磁ノイズも減らすことが可能であることを示すことができた.今後は,実際の配線設計に本手法を取り入れ,実用化のための開発を行う.
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Research Products
(4 results)