2012 Fiscal Year Annual Research Report
イノベーションのための効果的なアイディア生成に関する行動経済学的分析
Project/Area Number |
23650126
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
植田 一博 東京大学, 大学院情報学環, 教授 (60262101)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 剛 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (00334300)
|
Keywords | イノベーション / 普及理論 / 創造性 / 認知科学 |
Research Abstract |
まず,イノベーションのための良いアイディアを生成するには,どのような情報を収集し活用するのが良いのかを実験的に探った.成人20名が実験に参加し,一般的な検索エンジンを用いてインターネットで情報収集をした後に,収集した情報を利用して,数年後のデジタル一眼レフカメラに関するアイディアを生成した.データ分析の結果,デジタル一眼レフカメラの機能に関する情報あるいは他者(例えば,ユーザーやマーケッター)の意見を含む情報を収集する傾向が創造的なアイディアの生成に妨害的に働いている一方で,デジタル一眼レフカメラの用途に関する情報あるいはカメラ全般についての多様な情報を収集する傾向が創造的なアイディアの生成に促進的に働いている可能性が示唆された.このことは,多様で,かつ機能ではなく用途に関わる情報を収集した上で,他人の意見にあまり惑わされずに考えることが良いアイディアの生成に繋がることを示唆している. 次に,個人特性の中でリスク志向性がアイディア生成に与える影響を実験的に探った.成人78名が実験に参加し,最近の社会動向に関する新聞記事や雑誌記事等を読んだ上で,10年後の社会変化を予測するという課題を行った.参加者が生成した社会変化シナリオを,マーケティングの専門家により独自性・新規性・妥当性・有用性・面白さの5つの指標から評価してもらい,その5つの指標ごとの平均点を各参加者の社会変化シナリオの評点とした.さらに,各参加者のリスク態度をくじ引き選択課題を用いて測定した.そして,参加者ごと,独自性・新規性・妥当性・有用性・面白さの5つの指標ごとに,社会変化シナリオの評点とリスク志向性との相関を計算した.その結果,社会変化シナリオの面白さの評点と個人のリスク志向性との間に有意な相関がみられた.このことは,リスク志向性が生成されるアイディアの創造性にポジティブな影響を与えていることを示唆する.
|