2011 Fiscal Year Research-status Report
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23650137
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
喜多 伸一 神戸大学, 人文学研究科, 准教授 (10224940)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 脳認知科学 / 身体 / 学習 |
Research Abstract |
研究全体は、筋電義手を装着して、訓練を通じて操作することに習熟し、動作の巧緻性を獲得する学習過程を対象として、心理学実験と生理学実験を遂行することである。可能な実験技法には、1) プリシェイピングや感覚統合を用いた心理学実験、2) 眼球運動計測、3) 誘発電位、4) 近赤外光分光解析(NIRS)、5) 経頭蓋磁気刺激(TMS)、6) 機能的MRI 実験(fMRI)が考えられる。そのためまず、筋電義手の装着者に対して有効な実験技法を特定する。その特定結果に基づき、義手装着訓練を遂行中の装着者に対する実験を行い、学習過程を定量的に計測する。また学習解析のために最も有効な、義手をつけ始めたばかりの「新鮮患者」に対しても同様に、心理学実験による行動計測とともに、生理学実験による脳機能計測を行い、有効な訓練方法を提案する。 平成23年度は、まず実験技法に関する検討を行った。そのため、筋電義手の操作に習熟した装着者と、一般健常者に対し、各種の心理学実験を遂行し、義手装着者に対して適切な実験技法を特定した。これらの実験参加者は、学習途上の装着者に比べて技能が安定しているので、実験計測を行うことにより、学習に対するベースラインを設定することができた。また国際会議での研究発表を予定通り年度内に行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度は、まず実験技法に関する検討を行った。そのため、筋電義手の操作に習熟した装着者と、一般健常者に対し、各種の心理学実験を遂行し、義手装着者に対して適切な実験技法を特定した。これらの実験参加者は、学習途上の装着者に比べて技能が安定しているので、実験計測を行うことにより、学習に対するベースラインを設定することができた。しかし当初計画していた生理学実験はまだできていないので、次年度以降の遂行を予定している。
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Strategy for Future Research Activity |
学習途上にある装着者を対象とした心理学実験と生理学実験を遂行する。また、学習過程の解析に最も有効な装着者は、はじめて筋電義手を装着した「新鮮患者」と呼ばれる種類の患者である。新鮮患者は不幸な事故により不定期に発生するので、発生時期を計画に盛り込むことはできない。それゆえ新鮮患者については、可能な範囲で対応する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
患者に対する謝金と旅費や、実験補助者に対する者金と旅費が使途の大半を占める計画である。
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