2013 Fiscal Year Annual Research Report
ロービジョンと色弱の色認識特性に基づくカラーユニバーサルデザイン原理の研究
Project/Area Number |
23650161
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
伊藤 啓 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 准教授 (00311192)
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Keywords | 色覚 / しきじゃく / 弱視(ロービジョン) / ユニバーサルデザイン / CIE xy色度図 / 混同線 / 点字誘導ブロック / 車椅子 |
Research Abstract |
昨年度までにP型とD型の色弱の人について行った、xy色度図の上で等間隔に並ぶ色票のどの色とどの色を混同するかの実験を、今年度はロービジョンの人について行った。色弱と異なりロービジョンは視力低下をきたす原因にさまざまな疾患があるが、多くの人は比較的一般型(C型)に近い見え方をすること、一方一部の人はS錐体がないT型に近い見え方になることを見いだした。 周囲の路面とのコントラストが鮮明で黄色を含むというロービジョン者からの要望と、景観を刺激しないために彩度が高い色は避けたいという建築デザイナーからの要望を両立した点字誘導ブロックを開発するため、昨年度の実験で絞り込んだ7種類の誘導ブロックデザインを、実際にキャンパス内に敷設した。敷設直後と、半年経って当初の色がやや褪色した状態の2回にわたって、ロービジョン者による実地検証を行った。その結果、暗色のベースに明るい淡黄色の突起を配したものより、淡黄色のベースに暗色の突起を配したものの方が評価が高かった。最も評価が高かったのはベースと突起の双方を淡黄色にしたもので、これは明度が高いため、特に夜間は従来の濃い黄色のブロックより視認性が高く、また暗い路面でも明るい路面でも十分に視認できた。 誘導ブロックの段差は車椅子にとって通行のバリアとなる。車椅子が乗り越えやすい突起形状を工夫するとともに、ロービジョン者がブロックをたどるのに支障がない範囲で車椅子がちょうど通り抜けられる空隙を設けたブロックを設置し、効果を実証した。また車椅子の前輪が自由に回転してしまうことが誘導ブロックの段差乗り越えや傾斜の多い路面での車椅子操作を困難にすることから、前輪の回転を弾力的に制限した車椅子部品を開発し、効果を実証した。
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Research Products
(1 results)