2012 Fiscal Year Research-status Report
リズミカルな連続運動を生成するリズミカルな神経活動
Project/Area Number |
23650166
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
木津川 尚史 大阪大学, 生命機能研究科, 准教授 (10311193)
|
Keywords | リズム / マウス / 運動 |
Research Abstract |
本研究は、連続して遂行される運動がどのように脳で生成され制御されているかを明らかにすることを目的としている。連続運動を行うとき、運動がリズミカルになることが多い。運動がリズミカルになる意義はわかっていないが、リズミカルになることは運動のコーディネイトをするために有利であると考えている。体は多くの部位から成っており各々異なった動きをしているが、運動時には個々の体部位の動きを統一する必要がある。その際に、リズムを用いると統一が容易になると考えている。つまり、運動時には個々のリズムは何らかに様式で結合されており、その結合様式を脳がどのように生成しているのか、が具体的な研究目標となっている。 独自に開発したマウス用走行装置ステップホイールを用いて、マウスに特定のステップで走行させ、その際の運足などの運動のリズムを測定した。また、走行するマウスの脳から神経活動を記録した。さらに、ChR2を発現させた神経細胞に光刺激を加え、その影響を解析した。 その結果、個々の運動のリズムが位相の関係でリンクされていることなどの知見を得ている。また、このことに関連するような神経活動を見いだしている。リズムによる運動のコーディネーションを示す重要な知見と考えている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
リズムがどのように運動を統一するかという点において、複数の体部位の独自のリズムが位相によりリンクされていることが見いだされたことは、大きな進展と考えている。このことにより、リズムを周期と位相に分解して考察、解析していく道が開かれ、脳内で位相、周期に反応する神経細胞を探索することができるようになった。これまでに、いくつかの候補部位が見つかっており、今後詳細な解析を行う予定である。これまでのところ、ChR2を用いた光刺激によりリズムに特化して運動を阻害する部位は見いだされていないが、以上のようにリズムに関連した脳部位の候補が増えていけば、光による阻害が起きる部位を発見できる可能性が高まると考えられる。
|
Strategy for Future Research Activity |
ホイール走行装置(ステップホイール)で走行するマウスの四肢の運足などの運動を記録しながら神経活動を記録する。また、ChR2による光刺激実験を行う。リズムの位相と周期によるコントロールが脳のどの部位で行われているかについて、四肢の運動リズムの位相、周期を変化させながら、大脳皮質と線条体を中心に神経活動を記録して、探索する。複数のリズムのリンクについても、関連する脳部位の探索を行う。ChR2による光刺激を外乱として利用して、運動への影響を観察する。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
電極などの消耗品を購入する。また、運動制御用のコンピュータプログラム(LabVIEW, National Instruments)、解析用のコンピュータプログラム(MATLAB, Mathworks)などの更新費用を賄う。また、研究打ち合わせや研究発表のための旅費、論文作成、掲載のための費用のために使用する。
|
Research Products
(2 results)