2011 Fiscal Year Research-status Report
成熟ニューロンでの神経活動に伴う複製依存性コアヒストンのダイナミクス
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23650167
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
滝沢 琢己 群馬大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (30531115)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | ニューロン / 神経活動依存性転写 / クロマチン / コアヒストン |
Research Abstract |
成熟ニューロンが神経活動依存性に細胞複製依存性ヒストンの遺伝子を発現することを見出し、これに関し詳細な検討を行った。まず、転写制御に関して、これまで細胞複製依存性ヒストンはS期特異的に発現し、そのmRNAはpolyAテイルを有さないことが知られているが、ニューロンにおいては、oligoーdTプライマーによる逆転写反応にて逆転写されることからmRNAはpolyAテイルを有すると考えられた。 また、タンパク質レベルでの発現増加に関しては、新規合成タンパク質をメチオニンのアナログであるホモアラニンにアジド基を付加したものをニューロン培養液中に添加することでアジ化し、クロマチンを精製ごアルキル化ビオチンにて、アジ化タンパク質をビオチンにて標識し、ストレプトアビジンビーズにて回収して、さらに尿素により処理した後、沈降物中のコアヒストンH3の有無を検討した。その結果、神経活動を誘導したニューロンにおいて、ヒストンH3のタンパク質レベルでの新規合成が起こっていることが分かった。今後は、この新規合成ヒストンH3を含むクロマチンの領域をハイスループットシークエンスにて明らかにしていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ニューロンでの新規合成タンパク質標識の条件検討を詳細に行い、タンパク質代謝標識が安定して行えるようになった。次のステップである新規合成ヒストンを取り込んでいる領域の検討を行える準備ができた。
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Strategy for Future Research Activity |
新規合成コアヒストンを含むクロマチンを純化した後に、これに含まれるDNAを配列をハイスループットシークエンスにて検討する。得られた結果をリアルタイムPCRにて確認する。また、これまで申請者らが得ている神経活動依存性遺伝子の網羅的解析結果とあわせて、ヒストン交換部位との関連を検討する。また、現在の手法では、新規合成コアヒストンのバリアントの種類まではわからないので、ヒストンバリアントを区別できるTCAゲルPAGEにてヒストンを展開して、どのバリアントが神経活動依存性に増加しているかを確認する。また、ヒストン交換に関与するヒストンシャペロンを同定し、ヒストンシャペロンの有無による転写やシナプス成熟などニューロンの機能への影響を検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
これまで使用してきたのと同様に小動物や、実験消耗品に加え、ハイスループットシークエンスの実施に関する試薬、および解析依頼に使用する。
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