2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23650168
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
稲垣 直之 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 准教授 (20223216)
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Keywords | 脳・神経 / 発生・分化 / 神経科学 / 軸索輸送 / 細胞骨格 / バレル構造 |
Research Abstract |
本研究は、「神経細胞がいかにして過剰な軸索形成を抑制するのか」という点に絞って、脳内における神経極性の成立と維持の分子機構の解明を目指す。本研究では、培養神経細胞の過剰軸索形成を抑制するSingar1のノックアウトマウス脳内における神経細胞の形態異常を解析する。また、Singar1の機能の分子メカニズムの解明のために、Singar1と直接相互作用するRab33aの機能を解析する。 前年度は、Rab33aの機能を解析し、Rab33aが、細胞体で新たに合成された細胞膜成分を軸索先端へ輸送し細胞膜に供給することによって、軸索の形成と伸長を引き起こすことを示した。本年度は、Singarのノックアウトマウス脳内における神経細胞の形態異常を解析した。興味深いことに、Singarのノックアウトマウスは、生後、1日ほどで死亡する。そこで、生後、1日目の脳をニッスル染色で調べたところ、マクロの脳構造や神経核の構造に目立った異常は認められなかった。そこで脳のバレル構造の解析に適したCO染色で解析した。バレル構造は、げっ歯類のヒゲからの体性感覚を情報処理する機能モジュールであり、細胞体と樹状突起が整然した特徴ある構造を構築する。興味深いことに、Singar1のノックアウトマウスでは、脳幹のバレル構造に該当するBarrelettesの形成が認められなかった。以上の結果から、Singar1は脳内における樹状突起の配列や、神経細胞の配列形成に重要な役割を果たす可能性が示唆された。
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[Journal Article] Rab33a mediates anterograde vesicular transport for membrane exocytosis and axon outgrowth2012
Author(s)
Nakazawa, H., Sada, T., Toriyama, M., Tago, K., Sugiura, T., Fukuda, M. and Inagaki, N.
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Journal Title
Journal of Neuroscience
Volume: 32
Pages: 12712-12725
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] Rab33a stimulates vesicular trafficking and promotes axon outgrowth
Author(s)
Nakazawa, H., Sada, T., Toriyama, M., Tago, K., Sugiura, T., Fukuda, M., and Inagaki, N.
Organizer
第45回日本発生生物学会・第64回日本細胞生物学会合同大会
Place of Presentation
兵庫県神戸市
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