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2011 Fiscal Year Research-status Report

中枢神経系における非接触性細胞間相互認識に関する研究

Research Project

Project/Area Number 23650174
Research InstitutionHamamatsu University School of Medicine

Principal Investigator

佐藤 康二  浜松医科大学, 医学部, 教授 (80235340)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 三河 須美子  浜松医科大学, 医学部, 助教 (70359743)
Project Period (FY) 2011-04-28 – 2013-03-31
Keywords骨形成因子 / 知覚神経系 / 神経回路形成
Research Abstract

中枢神経系の複雑な回路を形成・維持するには、細胞間の微細な非接触性相互認識メカニズムが不可欠である。しかし、それらのメカニズムの詳細は未だ明らかとなっていない。我々のcloningした骨形成因子のアンタゴニストであるニューロジェネシンは、知覚性上行路に特化して発現しており、知覚神経回路の非接触性細胞間の相互認識に骨形成因子シグナル系が関与することを強く示唆している。本研究では、この疑問について検討を加えた。 平成23年度においては、まず、骨形成因子(BMP)シグナリング系関連蛋白,すなわちリガンド、アンタゴニスト、受容体の詳細な発現動態をin situ hybridization法、免疫組織化学法によって詳細に調べた。具体的には、BMP2-15、また、既知のBMPアンタゴニストであるnoggin, chordin, そしてニューロジェネシンの遺伝子、さらには受容体としてBMPRIA, BMPRIB、BMPRI、さらにはアクチビン受容体等の蛋白である。、その結果、これらの因子が知覚上行路の様々な領域に特異性を有して発現していることが確認できた。 さらに、免疫電顕法を用いて、BMPシグナリング系関連蛋白の細胞内、細胞外の局在を詳細に検討した。その結果、リガンドは、細胞外スペースに豊富に観察された。また、ほとんどの構成要素が神経の軸索に豊富に発現していることも確認された。この事は、軸索輸送によって、これらの構成要素が順行性に逆行性にも、輸送されていることが想定された。このことは、これらの因子が知覚神経系の回路形成に重要な役割を果たしていることを強く示唆する結果であった。 また、後根神経節細胞の初代培養において、培地内に各種BMP蛋白やBMPアンタゴニストを加え、それらのニューロンの軸策伸展様式について検討を加えた。その結果、分子毎に多様な結果を得られることが明らかとなった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

平成23年度においては、骨形成因子(BMP)シグナリング系関連蛋白,すなわちリガンド、アンタゴニスト、受容体の詳細な発現動態をin situ hybridization法、免疫組織化学法によって詳細に調べることができた。また、さらに、免疫電顕法を用いて、BMPシグナリング系関連蛋白の細胞内、細胞外の局在を詳細に検討する。また、後根神経節細胞を始めとする初代培養において、培地内に各種BMP蛋白やBMPアンタゴニストを加え、それらのニューロンの軸策伸展様式について検討を加える事ができた。しかし、RCAS retrovirus system を用いて,各種BMP蛋白やBMPアンタゴニストの遺伝子、あるいはニューロジェネシンのdominant negative蛋白をマウス胚の様々な神経系の回路形成領域に強制発現させ,その後の回路形成、シナプス形成について検討を加える段階までは進めることができなかった。故に、概ね順調に進展していると評価した。

Strategy for Future Research Activity

平成23年度に得た結果を基に、RCAS retrovirus system を用いて,各種BMP蛋白やBMPアンタゴニストの遺伝子、あるいはニューロジェネシンのdominant negative蛋白をマウス胚の様々な神経系の回路形成領域に強制発現させ,その後の回路形成、シナプス形成について免疫組織化学法、免疫電顕法などをもちいて検討を加える。さらに、知覚性上行路においては、後根神経節に存在する一次知覚ニューロンが、二次ニューロンとの回路形成におい、骨形成因子シグナリング系関連蛋白がその投射先である上位ニューロンを規定する可能性を調べるために、tracer法を用いて、targetingの乱れについて検討する。 さらには、モノアミン系を始め様々な神経回路について、同様の実験を行い、それぞれの回路に特徴的な所見を探し出していく。この実験によって骨形成因子シグナリング系関連蛋白の回路形成における役割がより一層明らかとしていく。 BMP2,4,7等のリガンドや、noggin等のantagonistのコンディショナルノックアウト動物を用いて 各種遺伝子改変動物の神経系を中心にそのマクロな表現系を解析する。更に、免疫組織化学法、免疫電顕法をもちいて、神経系の微細構造の変化について観察する。更には、逆行性、あるいは順行性tracerを用いて、様々な神経回路のtargetingの異常について詳細に検討する。各種遺伝子改変動物について、知覚や運動、行動の異常の有無を検討する。更に、ノックアウトマウスから、各種ニューロンの初代培養やスライス培養を調整し、BMPシグナル関連蛋白を培地に加えたときの軸策伸張の様子を、ワイルドタイプマウスと比較する。上記データを基に、神経回路形成及びその維持におけるBMPシグナリング系の役割を明らかにしていく。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

各種試薬の購入、動物の購入等に使用する。

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Published: 2013-07-10  

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