2011 Fiscal Year Annual Research Report
光受容イオンチャネルを発現した神経細胞を探索可能にする多電極独立微動裝置の開発
Project/Area Number |
23650178
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
國武 孝人 宮崎大学, 医学部, 助教 (20234461)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2012-03-31
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Keywords | 神経回路網 |
Research Abstract |
近年われわれが独自に開発した電極ワイヤを用いることで、自由行動中の動物において神経細胞の発火をこれまでの10倍の振幅で観察することが可能となった。その発火様式を基に脳機能を解明するためには、当該の神経細胞を特定する情報が重要であるが、その発火パターンを除いてはほぼ皆無である。これを打開する一つの方法としてあらかじめチャネルロドプシンなどを特定の神経細胞に発現させておき、電極ワイヤを移動させならが光ファイバによる照射に応答する神経細胞を選択して記録することが可能なシステムを確立したい。小動物でも利用可能とするためにはモーターやギアを用いた駆動方法では大きさ、重量において不利である。そこで小さく、軽量で数十マイクロメータ単位で駆動可能なアクチュエータを選択し、駆動する構造を独自に考案した。この駆動システムの特許出願を予定しているので詳細は控えたいが、概略のみを説明すると最低でも8本分の駆動装置を直径30mm、厚さ7mmの円柱状構造の内部に配置できるようにした。これは将来ブレインマシンインターフェースとしてヒトでの応用も視野に入れ、皮下に埋没可能な厚さを想定している。またその駆動装置を制御するのに高電圧を用いることは危険であるので、数ボルトの低電圧で駆動できるものとした。最低でも8本の電極ワイヤを保持し、脳内に刺入することが可能な構造で、それぞれのワイヤとアクチュエータの間の位置関係を正確に保持するハウジングを作成することが重要である。そのために熱可塑性プラスチックを成型する三次元加工装置も開発した。このハウジングに、はめ込むことが可能であり、アクチュエータを保持しその制御のための電子回路をも含む一体化したものを基板加工装置を用いて作成した。 電極駆動システムとしてはほば完成したが、動物を用いた実証実験までには至らなかった。今後、動物実験を行いながら改善していく予定である。
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