2012 Fiscal Year Annual Research Report
アミロイドβ43を指標とするアルツハイマー病早期診断法の開発
Project/Area Number |
23650185
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
斉藤 貴志 独立行政法人理化学研究所, 神経蛋白制御研究チーム, 副チームリーダー (90360552)
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Keywords | アルツハイマー病 / トランスレーショナルリサーチ / 早期診断 |
Research Abstract |
アルツハイマー病(AD)の早期診断を実現するためには、病態を反映するマーカーを選出し、それを高感度に、特異的に、定量的に捉える必要がある。特に、病気を発症する前に変動するマーカー候補因子を選出し、その因子に対する高感度かつ特異的で簡便な方法を開発することが重要である。 我々は、AD早期診断のための有力候補因子として、アミロイドβ43に着目した。本研究実績からもAβ43が、ADの病理形成・病態促進に重要な役割を有していることが明らかとなった。更にAβ43は、野生型マウスの脳でも加齢依存的な増加を示すことが明らかとなった。そこで、我々が開発したAβ43特異的定量法の改良を目指し、さらなる高感度検出法の確率に取り組んだ。その結果、従来の方法よりも10倍以上の高感度化に成功した。この改良法を用いることで、発症年齢が既知のAD家族性変異を有するベクターを細胞に発現させ時のAβ43産生量とADの発症年齢に高い相関関係がある事が見いだされた。以上の結果から、Aβ43が、AD早期診断マーカー候補および加齢マーカー候補として非常に有用であることを明らかにした。 今後は、さらなる測定感度の向上とハイスループットでサンプルを測定できるような簡便な改良法を考案する必要がある。また、実際の患者の脳脊髄液および血液サンプルを用いることで、ADの病態ステージとAβ43濃度の関連性に基づく指標を作成し、早期診断法の確立へと展開する必要がある。
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Research Products
(6 results)