2012 Fiscal Year Annual Research Report
神経極性分子SADを介したリン酸化シグナル動態とその可視化
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23650188
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
大塚 稔久 山梨大学, 医学工学総合研究部, 教授 (40401806)
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Keywords | リン酸化 |
Research Abstract |
本年度は、リン酸化されたCASTと相互作用する分子を同定するために、生化学的解析の条件検討を行った。CASTのリン酸化部位を含むN末をGST融合蛋白質として作製し、大腸菌で発現させ、精製した。精製したGST-CAST N末を、セリンスレオニンリン酸化酵素にて処理して、N末にリン酸基を導入させることに成功した。Stoichiometryもおおよそ1:1であった。GSTのみ、GST-CAST N(野生型)、およびGST-CAST N(リン酸化型)を用いたaffinity columnを作製し、ラット大脳シナプス可溶性画分をこれらカラムにアプライして、SDS-PAGEにて解析した。GST-CAST N(リン酸化型)のみに結合するバンドを複数同定できたので、質量分析にて解析のための溶出条件を検討中である。また、逆にGST-CAST N(野生型)のみに結合する蛋白質(リン酸化CASTからは遊離するものを想定)は、見いだせなかった。これについては、アプライしたサンプル量が少なかった可能性もあり、columnのサイズとサンプルの量を調節して再検討予定である。 Creマウスと交配させることで、リン酸化部位がアラニン残基に置き換わる条件付き変異マウスの脳を用いて、CASTのリン酸化の程度を確認したところ、野生型でもCASTの発現が著明に減少していることが判明した。おそらく、条件付き遺伝子改変用のベクター構成が、内在性のCASTの発現を抑制してしまうことが考えられた。そこで、最初の組み換えの段階ですでにリン酸化部位がアラニンに置換されている遺伝子改変マウスの作製を行った。ターゲティングベクターの作製が終了したので、ES細胞へのトランスフェクションの後、サザンハイブリダイゼーションにて陽性クローンのピックアップを引き続き行う予定である。
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Research Products
(6 results)