2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23650205
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
西野 恵里 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70523992)
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Keywords | パッチ電極 / 神経細胞 / 蛍光分光 / 神経回路 / 聴覚機能 / オレゴングリーンバプタ |
Research Abstract |
ニワトリの蝸牛神経核である大細胞核および上行性下行性聴覚情報が統合される下丘、そして大脳皮質であるField-Lを対象として、聴覚刺激に伴う電場電流および細胞内Caイオン応答を測光電極を用いて計測した。大細胞核神経細胞は 個体脳では聴覚刺激に応じた細胞内Ca応答は示さなかったが、脳切片標本では小さなCa応答を生じた。一方、下丘およびField-Lでは聴覚刺激に応じたCa応答があった。特にField-Lではおそらく視床核に起因するとみられる高い自発神経活動を伴いCa応答があり、さらに抑制性神経回路機能を薬剤を用いて抑制することで、頻度は低いが極めて大きなCaシグナルを発生した。Field-Lは大脳皮質に相当するために神経情報の集積統合が行われ、それに伴う細胞内Caシグナルも活発に変化するものと考えられる。一方蝸牛神経核は高い頻度で入力する聴覚情報に対応するために、大細胞核神経細胞は活動電位発射に伴うCa濃度上昇を抑制するメカニズムがあるのであろう。今後、この可能性を明らかにしたい。大細胞核では細胞内Ca濃度が必要以上に高まることで神経細胞死が生ずる可能性もある。本萌芽研究を進める事で、神経情報の抽出と統合処理の過程で活動電位以外に細胞内Caシグナルも調節を受けダイナミックに神経回路機能を制御する手立てとして働いている事の手がかりをうることが出来た。本研究での所見を土台として今後は測光電極を単にCaイオン測光だけではなく、膜電位応答など他の光応答の記録にも応用したい。
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Research Products
(1 results)