2012 Fiscal Year Annual Research Report
可塑性期における大脳皮質視覚野の軸索伸長・分枝のダイナミクス
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23650207
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山本 亘彦 大阪大学, 生命機能研究科, 教授 (00191429)
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Keywords | 軸索 / 視床 / 大脳 / 神経活動 / イメージング |
Research Abstract |
神経回路の形成過程におけるニューロン間の結合性は神経活動により変化することが知られている。大脳皮感覚野では視床からの投射を受け、発達期における感覚遮断などの操作によって、視床ニューロンの軸索枝分れパターンが変化することがよく記述されている。しかしながら、その細胞・分子メカニズムについては不明な点が多い。以上を踏まえて、大脳皮質内での視床軸索のダイナミクスを2光子顕微鏡により明らかにすることを目的とした。 このため、まず胎生期マウス(胎生10-11日)の背側視床に蛍光タンパク質(enhanced yellow fluorescent protein)の遺伝子をin uteroelectroporation法により導入し、生後1週目において標識された視床皮質軸索の観察を行った。その結果、主として体性感覚野において多数の標識軸索が4層近傍で分岐を形成することが見いだされた。さらに、個々の軸索の形態・動態を観察するために、pCAG-loxp-neo-loxp-EYFPとpCAG-Creの2種類のプラスミドを導入することにより、数少ない軸索標識を得ることができた。次に、実際に生後数日のマウスで、麻酔下で頭蓋骨を一部取り除くことによってin vivo imagingを行ったところ、一部において生きた状態で観察することができた。幼若動物においては手術後の結合組織の出現などが観察を阻害し、タイムラプス観察には至っていないものの、これまでの2光子顕微鏡での観察では、基本的に1層から2/3層での細胞動態の観察に限られていることを考えると、4層付近で繊細な軸索観察が可能になったことは今後の軸索動態の解析に展望が開けた。
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