2012 Fiscal Year Annual Research Report
MEG・NIRS同時計測による脳神経・脳血流動態シグナルの量的対応化の確立
Project/Area Number |
23650217
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
檀 一平太 自治医科大学, 医学部, 准教授 (20399380)
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Keywords | NIRS / MEG / マルチモダルイメージング / 同時計測 / 一般線型モデル |
Research Abstract |
本研究の目的は、MEG-NIRS同時計測システムを用いて、MEGで計測される脳神経活動シグナルの時系列パターンがNIRSで計測される脳血流動態シグナルの時系列パターン、および、空間的活動パターンにどのように反映されるか、を解明することである。 この遂行に伴い、MEG-NIRSの同時計測システムの立ち上げを行なったところ、事象関連磁場については、正中神経の電気刺激については、信号源が比較的脳深部にあるものの、刺激強度を調整すれば、NIRSでも観察可能であることが分った。しかし、この刺激を用いた場合に、有用な科学的言及を行なえる課題設定が困難であった。 このため、いたずらに同時計測を追求するのではなく、NIRS信号の時間構造を反映した解析法を探索するという方向性を模索することにした。従来fMRIでは、単一の血流動態関数を仮定し、それを経験的に計測信号に一般線形モデル(GLM)を用いて当てはめるという手法が取られてきたが、NIRS信号においては、酸素化(HbO)、脱酸素化ヘモグロビン(HbR)、それぞれの信号挙動は異なり、単一のモデルによる適合は適切ではない。このため、モデルの変数を動的に変更させる動的GLMという手法を新たに開発した。 この方法を言語課題の解析に適用したところ、呼称課題においては、一般的な遅延を付与したモデルが適合したが、対照的に,経時的に負荷が増大していく語流暢性課題においては、より時間応答の遅れた血流動態モデルが適合することが判明した。動的GLMによる集団マッピングでは、一般的なモデルを用いたマッピングに比べて、HbRでより検出力が向上した。また、HbO、HbR変化の両方でより検出が上昇し、より強い言語有意半球側での活動が認められた。結論として、NIRS信号においては、時間構造を反映した動的な解析が必要であることが示唆された。
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[Journal Article] Effect of anesthesia on trigeminal somatosensory evoked magnetic fields2012
Author(s)
Otsuka T, Dan H, Dan I, Sase M, Sano T, Tsuzuki D, Sasaguri K, Okada N, Kusama M, Jinbu Y, Watanabe E.
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Journal Title
Journal of Dental Research
Volume: 91
Pages: 1196-1201
DOI
Peer Reviewed
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