2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23650223
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
友田 明美 福井大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80244135)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 愛着障害 / fMRI / 児童虐待 / マルトリートメント症候群 |
Research Abstract |
当該年度は、母子間の愛着形成の歪みにより引き起こされる愛着障害の神経基盤を明らかにするために、自然科学研究機構 生理学研究所、福井大学子どものこころの発達研究センター(友田明美、山崎未花、八ツ賀千穂)、福井大学医学部附属病院神経科精神科(浅野みずき)、あいち小児保健医療総合センター(加藤志保)、独立行政法人 理化学研究所分子イメージング科学研究センター(水野 敬)、独立行政法人 生理学研究所(定藤規弘)が協働で機能的磁気共鳴画像法(fMRI)実験を行うことで倫理審査および被験者リクルートを開始した。また、愛着障害児の呈する多動衝動性障害に注目し,早期診断・治療を可能にする目的で,脳画像,脳生理科学,行動学の手法により多面的に障害児脳を解析するための予備実験を行った。1)本研究キックオフミーティング(平成23年7月)、2)全ての共同研究機関での倫理審査承認(平成23年11月)、3)愛着障害被験者リクルートスタート(平成23年11月)、4)fMRI予備実験(平成23年12月)。 またADHDなどの発達障害に併存する多動衝動性障害と本疾患に伴う同症状を鑑別するために、未治療の小児ADHD 患者と健常者の比較解析を行った結果、ADHD患者において金銭報酬獲得時の視床の賦活度が有意に低く、治療後は症状改善とともに改善した。今後、同じ課題を使ったfMRIを愛着障害患児に行っていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は多施設との共同研究であるため、全ての共同研究機関での倫理審査承認に予想外に手間取り、被験者のリクルート開始に時間がかかった。しかしながら、最終年度である次年度では愛着障害児童のfMRI実験を遂行する予定である。またfMRI実験を遂行できるようになった理由としては、当初設定した愛着障害被験者のリクルート基準を全ての服薬を休止せずに、抗多動性障害薬のみを休止してからfMRI実験に臨んでもらうことに変更したからである。
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Strategy for Future Research Activity |
あいち小児保健医療総合センター(加藤志保)の被験者リクルートの協力の下、fMRI実験を順次遂行し、患児たちの問題行動の根底にある神経発達障害の生物学的な関与を明らかにする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
前年度に引き続き、fMRI実験を検討し、最終結果を得る。研究費については、心理検査用紙や統計ソフトMATLABやSPSSの消耗品の購入、被験者への謝礼、国内外への旅費に使用する予定である。
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Research Products
(21 results)