2012 Fiscal Year Annual Research Report
金魚を用いたポリクローナル抗体の調製プロセス開発による動物実験4Rの推進
Project/Area Number |
23650227
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
浅野 竜太郎 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80323103)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅津 光央 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70333846)
|
Keywords | 免疫学 / 生体分子 / 蛋白質 / ポリクローナル抗体 / 魚類 |
Research Abstract |
前年度に引き続き水泡眼を用いた免疫法の開発を、免疫時に用いる抗原とアジュバントと、さらには免疫後のリンパ液中の目的抗体の検出法の観点から検討を行った。 まず膜タンパク質に対する抗体の取得を目指してヒト上皮増殖因子受容体(EGFR)を強制発現させたCHO細胞を用いた免疫を行った。免疫後のリンパ液に対し、抗コイ抗体を用いたフローサイトメトリーによる検出を試みたが、免疫後のいずれの週数のリンパ液にも優位な結合はみられなかった。細胞による免疫とフローサイトメトリーによる検出の両者、あるいはいずれかに問題があると考え、免疫原として精製タンパク質を用い、さらに前年度検出に成功しているELISAより、より簡便なドットブロッティングを用いた検出を試みた。アジュバントは市販薬剤あるいは酵母抽出液を用い精製タンパク質と混合して投与した。一方、アジュバント効果を期待して、抗原タンパク質を精製せず、その発現ベクターで形質転換させた大腸菌の超音波破砕液を滅菌したものの利用も検討した。それぞれ1週間ごとに水泡眼の体重で規格した抗原量をシリンジを用いて水泡内に投与し、ドットブロッティングにより検出した。結果、酵母抽出液を用いた時の免疫後8週目の水泡内に抗原タンパク質に対する明確な抗抗体の陽性反応がみられた。免疫後に特異的抗体が出現するのが比較的遅いという既報の結果とも一致しており、また酵母抽出液は汎用的に用いている大腸菌用培地をそのまま利用可能であるという利点も有しているため、研究室でのより簡便なポリクローナル抗体調製法としての可能性を示すことができたといえる。
|