2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23650228
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
八神 健一 筑波大学, 医学医療系, 教授 (40166476)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
|
Keywords | EGFP / パルボウイルス / 発がん |
Research Abstract |
本研究では、腫瘍細胞親和性を有するパルボウイルス由来プロモーター制御下でレポーター遺伝子を発現するマウスを作製し、発がん組織を蛍光in vivoイメージングで観察可能なモデルマウスを開発することを目的とする。 研究の初年度である23年度では、CREB, E2F, Ets1, SP1等の腫瘍細胞で活性化する転写因子結合サイトを持つパルボウイルス非構造タンパク(NS)のP4プロモーターにレポーター遺伝子(EGFP)を連結した遺伝子を構築し、腫瘍細胞での発言を確認した後、CB7BL/6Jマウス胚に導入し、トランスジェニックマウス(P4-GFPマウス)を作製した。本マウスは生後20日以上の精巣において、精母細胞で特異的にEGFPが発現することを、組織学的解析およびFACS解析により確認されたが、哺乳マウスおよび成体の精母細胞以外の主要組織ではEGFP発現は認められなかった。 また、P4-GFPマウスとヒト由来のプロト型がん遺伝子c-Ha-rasを持つC57BL/6J-Tg rasH2マウスを交配し、両遺伝子を有するマウス(Ha-ras/P4-EGFPマウス)を得た。現在、このマウスでの自然発がんの経過を観察中である。さらに、24年度に実施予定であるHa-ras/P4-EGFPマウスでのmethyl nitrosourea(MNU)あるいはウレタンによる化学発がん実験のため、実験に必要となるマウス個体数を準備するため、繁殖を継続している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の鍵となるP4-GFPマウスは遺伝子改変により予定通りに作成できた。また、交配によるHa-ras/P4-EGFPマウスの作成も順調に進んでいる。発がん経過の観察に時間を要するが、24年度に予定している化学発癌実験により、期間内で基本的な結果を出せると思われる。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度の予定(1)Ha-ras/P4-EGFPマウスでの自然発がんの経過を肉眼的に観察するとともに、定期的に蛍光イメージング装置(IVIS SpectrumあるいはVevo2100)で観察する。(2)Ha-ras/P4-EGFPマウスにMNUを接種し、発がん過程を肉眼的に観察するとともに、定期的に蛍光イメージング装置およびFACS解析により観察する。発がんが認められた場合、併せて腫瘍組織を組織学的に観察し、EGFPの発現細胞と腫瘍細胞が一致するかどうかを詳細に検討する。(3)予想どおりに、発がん過程で腫瘍化した細胞をEGFPにより特異的に検出可能であれば、研究成果を論文として公表する。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
設備備品の購入予定はなく、実験用マウス、試薬類、器具類等の物品費、成果発表のための旅費、マウスの維持管理経費等に使用する予定である。なお、平成23年度から実験用マウスの飼育を継続しており、それに付随する経費が次年度に請求されるため、約14万円を繰り越した。
|