2011 Fiscal Year Research-status Report
肥満モデルマウス脂肪組織の慢性炎症に対するDPP-4阻害薬の病態改善効果
Project/Area Number |
23650230
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
久和 茂 東京大学, 農学生命科学研究科, 教授 (30177943)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | マウス / 肥満 / 脂肪組織 / 慢性炎症 / NKT細胞 |
Research Abstract |
8週齢、雄のC57BL/6J(B6)マウスに高脂肪食(リサーチダイエット社、D12492)を12週間給餌し、高脂肪食誘導肥満モデルを作製した。対照として、通常食(オリエンタル酵母、CRF-1)を与えた20週齢、雄のB6マウスを用いた。精巣上体脂肪組織、腎周囲思想組織、大腿皮下脂肪組織、末梢血、脾臓を採材し、フローサイトメトリーあるいは共焦点レーザー顕微鏡によりリンパ球分画の細胞について解析した。特にNKT細胞に着目し、その特徴について解析した。また、脂肪組織の病理組織学的検索を行った。さらに、グルコース耐性試験、インスリン感受性試験などにより糖尿病の病態を評価した。12週間の高脂肪食給餌によりグルコース耐性およびインスリン感受性が低下することが確認された。また、高脂肪食給餌のDIOマウスの脂肪組織にはリンパ球、マクロファージの浸潤が認められ、いわゆるcrown-like structureが見られ、慢性炎症を起こしいることが確認された。フローサイトメトリーにより、精巣上体脂肪組織中のNKT細胞の比率が炎症後期に有意に上昇し、CD4-CD8-NKT細胞/CD4+CD8-NKT細胞の比率も変化していた。しかしながら、NKT細胞のT細胞レセプターVβレパトワに顕著な差は認められなかった。これらの結果から8週齢、雄のB6マウスを用いてDIOモデルが作製できること、またその糖尿病の病態および脂肪組織炎症を評価することができることが確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
8週齢、雄のB6マウスを用いてDIOモデルが作製できること、また糖尿病の病態および脂肪組織炎症を評価することができることが確認できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
8週齢、雄のB6マウスを用いたDIOモデルマウスを用いて、DPP-4阻害薬の効果を判定する。具体的には病理組織学的検索、共焦点レーザー顕微鏡による観察、フローサイトメトリーなどによる形態学的情報、ならびにグルコース耐性試験、インスリン感受性試験などの機能的試験により、その病態の変化を評価する。また、前年の研究で明らかになった特徴的なNKT細胞の役割について検討す、その生物学的意義を考察する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
前年同様、マウス購入費、飼料購入費、薬品、抗体などの消耗品の購入に使用する。また、研究成果を学会で発表するため、旅費等として使用する。
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