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2011 Fiscal Year Research-status Report

新規に確立した遺伝的内臓脂肪蓄積型肥満マウスの特徴と原因遺伝子の解明

Research Project

Project/Area Number 23650237
Research InstitutionUniversity of Miyazaki

Principal Investigator

中原 桂子  宮崎大学, 農学部, 准教授 (90315359)

Project Period (FY) 2011-04-28 – 2013-03-31
Keywords肥満マウス / Darumaマウス / レプチン / インスリン / レプチン抵抗性 / インスリン抵抗性
Research Abstract

ICR-Darumaマウスは従来のレプチン欠損マウスやレプチン受容体欠損マウスと異なり、レプチン抵抗性による肥満のため、人でのメタボリックシンドロームの肥満に近いと思われる。今回のレプチン受容体の全遺伝子検索で2カ所に点突然変異が認められた。一つはエクソン8の1627番目の塩基アデニンがグアニンに変異しており、もう一つはエクソン15の2810番目のチミンがシトシンに変異していた。そのため、イソロイシンがバリンに、またイソロイシンがスレオニンに置換していた。次に、C57Black/6J-Darumaマウスの血糖値やインスリン濃度を中心に、血糖値が高くない理由を検討した。その結果、C57Black/6JのDarumaマウスはICRのDarumaと異なり、血糖値が正常に維持されていることが判明した。驚くことに、雄のみ血中インスリン濃度の異常な増加が見られることも判明した。またレプチン濃度を確認するために雌雄ともに、血中レプチンレベルを測定したところ6週齢までは緩やかに上昇して行くことが判明し、ICRダルマの4週齢ですでにプラトーに達する結果とは大きく異なった。血漿インスリン値は雌雄で全く異なる推移を示した。雌では血漿インスリンは低くほぼ正常値に近い値を10週齢まで維持しているのに対し、雄では8週齢まで週齢と共に上昇し、以後は高い値を一定して維持している。この雌雄の差の原因として、雌のレプチン受容体が変異しており、そのためにレプチンのみが高くなっていったと推測できなくないが、以前のICR-Darumaでのレプチン受容体の塩基配列の解析では、雌雄に差は見られていない。他の原因として、エストロジェンの関与も推測されるが、それについては今後検討したい。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

1: Research has progressed more than it was originally planned.

Reason

これまで3年半を要して、ICRのDarumaの表現系をC57Black/6J(黒)マウスに転換することに成功し、10世代目を得ることができたので、本研究では、この確立した遺伝的肥満マウスC57Black/6J-Darumaを用いて肥満の特徴を形態学的、生理学的、生化学的あるいは分子生物学的に解析する。特に、生後いつから過食、肥満、高血糖、高脂肪血症などが起こるのか、視床下部や褐色脂肪あるいは白色脂肪の肥満関連遺伝子発現はどのようになっているのか、自律神経系、循環器系および運動系機能はいつ、どのように変化するのか、レプチン抵抗性やインスリン抵抗性はいつ、どのように獲得されるのか、などを明らかにすることを当初計画としていた。しかし、表現系やレプチン抵抗性の獲得時期の決定の他に、インスリン抵抗性の獲得時期や雌雄差の判明など予期しなかった事実も判明した。このようなインスリン抵抗性の雌雄差は、今後、肥満と女性ホルモンとの関係などを調べる上で、極めて好個なモデルとなる可能性が高い。

Strategy for Future Research Activity

今後の研究に大きな変更は無いが、当初に予想しなかったインスリンの雌雄差の原因の解明や雄の糖尿病の発症するものとしないものの違いの原因を究明することなどを追加する予定である。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

1)C57Black/6J-Darumaマウスの表現系の解析においては、当初計画に無かった「雄についての糖尿病の解析」を追加する。(2)C57Black/6J-Darumaマウスの肥満原因遺伝子の同定を行う。(3)血中インスリンに雌雄の差が認められたため、去勢あるいはステロイドの慢性投与(サイラスティックチューブの皮下への埋没による)による効果を調べ、雌雄差が性ホルモンによるのか否かを検討する。(4)体重に差が見られる時期あるいは肥満が進行している時期などで、各組織においてどのような肥満関連遺伝子(摂食関係、脂質代謝関係など)の発現が変化しているかを調べることは、C57Black /6J-Darumaの肥満の発症機序や肥満の特徴を知る上で極めて重要と思われる。そこで、C57Black/6J-Darumaとコントロールマウスを離乳時から週齢を追って屠殺し、視床下部、肝臓、白色脂肪、褐色脂肪、膵臓、筋肉を採取し、109の肥満関連遺伝子マイクロアレイ (Oligo GEArray: SuperArray Bioscience Inc.)で解析する。例えば視床下部では、摂食関連遺伝子のNPY, Agrp, Hypocretin, POMC, CART, MCA, NT, NMU, NMS等に注目し、また褐色脂肪ではβ3ADR, UCP1などに注目する。またマイクロアレイで発現量に差が認められたものに関しては、リアルタイムPCRによって定量解析する。

  • Research Products

    (7 results)

All 2012 2011

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results) Presentation (4 results) Book (1 results)

  • [Journal Article] Hypothalamic gene expression involved in anorexia in rodents fed valine-deficient diet2012

    • Author(s)
      K Nakahara, S Takata, M Ishii, K Nagao, M Bannai, M Takahashi, N Murakami
    • Journal Title

      Amino Acids

      Volume: 42 Pages: 1397-1404

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] Neuromedin S regulates cardiovascular function through the sympathetic nervous system in mice2011

    • Author(s)
      T Sakamoto, K Nakahara, K Maruyama, T Katayama, K Mori, M Miyazato, K Kangawa, N Murakami
    • Journal Title

      Peptides

      Volume: 32 Pages: 1020-1026

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] エネルギー代謝・バランス制御2011

    • Author(s)
      村上 昇、中原桂子
    • Organizer
      第82回日本動物学会(招待講演)
    • Place of Presentation
      旭川
    • Year and Date
      2011.09.21
  • [Presentation] デスアシルグレリンの副交感神経系を介した体温低下作用について2011

    • Author(s)
      井上貴之、中原桂子、中村潤子、村上 昇
    • Organizer
      第152回日本獣医学会
    • Place of Presentation
      大阪
    • Year and Date
      2011.09.19
  • [Presentation] ラットの脳の電気破壊による走行運動中枢と摂食中枢領域の探索2011

    • Author(s)
      東村勇介、中原桂子、村上 昇
    • Organizer
      第152回日本獣医学会
    • Place of Presentation
      大阪
    • Year and Date
      2011.09.19
  • [Presentation] 高脂肪食給餌および自由走行運動がマウスの摂食と体重におよぼす影響2011

    • Author(s)
      静谷成晃、中原桂子、村上 昇
    • Organizer
      第152回日本獣医学会
    • Place of Presentation
      大阪
    • Year and Date
      2011.09.19
  • [Book] Valine: Dietary Sources, Functions and Health Benefits2012

    • Author(s)
      Kenji Nagao, Makoto Bannai, Keiko Nakahara, Noboru Murakami
    • Total Pages
      未定
    • Publisher
      Nova Science Publishers, Inc. NY

URL: 

Published: 2013-07-10  

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