2012 Fiscal Year Annual Research Report
新規に確立した遺伝的内臓脂肪蓄積型肥満マウスの特徴と原因遺伝子の解明
Project/Area Number |
23650237
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
中原 桂子 宮崎大学, 農学部, 准教授 (90315359)
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Keywords | 肥満 / レプチン / 内臓脂肪 / 褐色脂肪 / 肥満モデルマウス |
Research Abstract |
遺伝的肥満マウスDarumaの肥満の原因を追及した。離乳後早期にペアフェドを開始すると、体重は正常範囲に維持されており、自由摂食にすると、すぐに過食と肥満が開始された。しかし、このペアフェド期間中Darumaマウスでは、摂食亢進ペプチドのNPYおよびAgrp mRNAの発現が自由摂食のDarumaマウス群とコントロールマウス群よりも有意に高いレベルを示し、一方で、摂食抑制系ペプチドPOMC mRNAの発現は低くなっていた。ペアフェド中のDarumaと自由摂食のDarumaの褐色脂肪の脱共役タンパク質(UCP-1)および アドレナリンβ3受容体(Adrβ3)mRNAレベルはコントロールよりも低い値を示した。自由摂食に戻して2週間後には体重は自由摂食のDarumaマウスと差がなくなるほど肥満になっており、この時点では、遺伝子発現に自由摂食Darumaと全く差が無くなった。また血中レプチン濃度が急上昇しており、自由摂食Daruma群と同じになった。DarumaマウスのC57Black/6Jの10世代が確立できので、サテライトマーカーでの絞り込みを行い、変異部がレプチン受容体をコードする領域を含むものであることが判明した。そこで、レプチン受容体の全遺伝子を検索したところ、2カ所に点突然変異が認められた。一つはエクソン8の1627番目の塩基アデニンがグアニンに変異しており、もう一つはエクソン15の2810番目のチミンがシトシンに変異していた。そのため、イソロイシンがバリンに、またイソロイシンがスレオニンに置換していた。 C57Black/6JのDarumaマウスはICRのDarumaと異なり、血糖値が正常に維持されていることが確認された。驚くことに、雄のみ血中インスリン濃度の異常な増加が見られることが判明した。
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Research Products
(3 results)