2012 Fiscal Year Research-status Report
ヒト・マウス間の高次運動機能の比較解析のための生体力学モデル相互マッピング
Project/Area Number |
23650246
|
Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
太田 聡史 独立行政法人理化学研究所, 情報解析技術室, 専任研究員 (30391890)
|
Keywords | 生体力学 / 歩行パターン / 相同性 |
Research Abstract |
相同性マッピングに重要なモーターニューロンの走行パターン(もしくは局在)を調べるため、モーターニューロンのマーカー遺伝子を持つマウスを作成した。これらのマウスも含め、マウスの歩行パターン計測に用いるミュータントマウスのラインを施設内に準備し、いつでも実験が出来るような体制を整えた。このミュータントマウス歩行パターンの計測については、インハウスの生体力学解析パイプラインに加え、オープンソフトウェアを用いたより可搬性の高いパイプラインを構築した。またこのパイプラインに合ったデータを生成するための各種ソフトウェアを作成した。マウスの動力学解析のための床反力計測装置を試作し、上記ミュータントマウスを用いた実証試験を行った。 ミュータントマウスの該当遺伝子の中枢神経系における発現パターンを調べるため、ミュータントマウスの脳切片を作成した。 神経科学分野の研究者との連携を前提として、外部機関でセミナーや打ち合わせを行った。海外の研究者と国際的な連携を視野に入れた話し合いを始めた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
信頼性の高い相同性マッピングの実施には、詳細な解剖学的情報の取得に加え、機能的な情報の取得が必須である。この実施には、必要なマウスの作成やラインの維持等当初困難が予想されたが、現有の施設の特徴を生かし、短期間で完了することが出来た。さらに計算生体力学的な解析においては、構築済みのインハウスの解析パイプラインに加え、生体力学の分野で国際的な存在感を増しつつあるオープンソースの解析パイプラインを組み合わせて使うことにより、より柔軟で相乗効果も期待出来る体制を構築出来た。これらの機能的な情報の取得に向けた体制は、当初の予想よりもすみやかに進展しており、本研究のテーマである相同性マッピングの効率化に貢献することが期待出来る。
|
Strategy for Future Research Activity |
相同性マッピングのために必要な詳細な筋骨格系の詳細な解剖学的情報を取得するために、複数のマウスの凍結スライシングを行い、筋骨格系の3次元アトラスを構築する。これを用いて、すでに作成済みの筋骨格モデルを改良するため、筋腱・骨格の付着部位の生物学手に合理的な座標を計測することで、モデルの精度を高める。確立した生体力学モデルとして、国際的な生体力学コミュニティーに受け入れられるレベルのものを開発することを目指す。またマウスの解剖を通して、デジタルデータではカバー出来ない知見を得るとともに、動力学解析に必要な質量の実測定も行う。 相同性マッピングのためのソフトウェアはすでに開発済みであるが、さらに改良を加え、特にミュータントマウスの表現型が強く現れている後肢についての代表的な筋肉のモデル化に注力することで、歩行解析データを動力学シミュレーションにより再現出来るレベルを目指す。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし。
|