2012 Fiscal Year Annual Research Report
流れ負荷と傾斜遠心力負荷による異なる力学刺激に対する内皮細胞の応答特性の解明
Project/Area Number |
23650252
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
早瀬 敏幸 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (30135313)
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Keywords | 内皮細胞 / 応答特性 / 傾斜遠心力 / 流れ負荷 / 力学刺激 |
Research Abstract |
本研究では、傾斜遠心力負荷時の内皮細胞の配向実験と流れ負荷時の内皮細胞の配向実験を行い、両者を比較することによって、内皮細胞が力学刺激を感知する部位を特定しようとするものである。すなわち、傾斜遠心力負荷実験装置による線形せん断応力負荷実験と、流れ負荷により一様せん断応力負荷実験を行って、それぞれの実験結果を比較することにより、内皮細胞がそれぞれの力学刺激に対してどのように応答するかを検討した。 最初に、傾斜遠心力負荷実験装置による線形せん断応力負荷実験を行った。培養内皮細胞に任意方向の遠心力を負荷できる、申請者が独自に開発した傾斜遠心顕微鏡装置(現有)を用いた。内皮細胞の配向実験中、傾斜遠心顕微鏡の格納容器内は一定雰囲気に保たれる。実験方法は、ガラス板に内皮細胞を培養した後、傾斜遠心顕微鏡装置に設置して、48時間傾斜遠心力を与える。その際、6時間ごとに、倒立顕微鏡により、内皮細胞の配向状態を観察する。コントロールとして遠心力を負荷しない実験も行った。 次に、流れ負荷時の内皮細胞の配向実験を行った。ポンプにより培養液を循環させながら、培養内皮細胞チャンバー内にせん断流を発生させ、内皮細胞にせん断応力を負荷した。流れ負荷実験は、格納容器内に設置し一定雰囲気中で実験を行った。傾斜遠心力実験と同様に、48時間実験を行い、6時間ごとに、倒立顕微鏡により内皮細胞の配向状態を観察した。 上記の傾斜遠心力負荷実験と流れ負荷実験の結果を比較した。流れ負荷で内皮細胞に与えられる応力は、内皮細胞内で一定のせん断応力であり、遠心力で与えた線形的なせん断力の分布と異なるので、両者の配向の結果を比較することにより、内皮細胞がせん断応力を検知する部位による影響について知見を得た。
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