2013 Fiscal Year Annual Research Report
コラーゲン誘導体を用いた全身転移ガン細胞標的核酸医薬の開発
Project/Area Number |
23650255
|
Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
小田 和司 北陸先端科学技術大学院大学, マテリアルサイエンス研究科, 助教 (30293400)
|
Keywords | ナノバイオロジー / ナノメディスン / ガン細胞標的核酸試薬 |
Research Abstract |
まず予備的に、モデル系として低抗原性コラーゲンの導入しやすい培養細胞の選定をおこなった。マウス由来からヒト由来培養細胞、初代培養細胞を候補に選び検索したところ、ヒト由来のHEK293細胞が導入効率が良いことがわかった。新田ゼラチン社から提供されるコラーゲン試料は、さまざまな誘導体があり、それぞれについて精製度も異なった試料が提供されている。また、それらを元に化学修飾を施したサンプルも提供された。その中でもっとも導入効率のよいコラーゲン試料をHEK293細胞で検索したところ、粗抽出コラーゲンをアルカリ条件で加水分解し、さらに正電荷を持つように化学修飾を施した試料が有意に導入効率が高いことがわかった。また一方、この正電荷を持つように修飾された試料をさらに加水分解して得られた短いペプチドでも同様な実験を行ったがやはり同程度の導入効率しか得られなかった。この結果は新田ゼラチン社のグループで独立に行った実験でも同様な傾向を示す結果が得られたとの情報提供を受けた。しかし、こちらでおこなった実験でも新田ゼラチン社でおこなわれた実験でも有意差はコントロールと比べて10%程度と低く、実用的といえる成果は得られなかった。本研究では培養細胞をコラーゲンを添加して形質転換させた試料を蛍光顕微鏡下で直接計数するという、バックグラウンドノイズを極力抑える方法で測定した。どの結果も矛盾がないのでこの結果は間違っていないと考えられる。 これらの結果を踏まえて、研究の結果は論文にまとめることを控えた。残念な結果となった。
|