2012 Fiscal Year Annual Research Report
光ピンセットを利用した細胞間相互のメカノバイオロジー
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23650256
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
益田 泰輔 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 特任助教 (30431513)
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Keywords | バイオメカニクス / 力学刺激応答 / 細胞間相互作用 |
Research Abstract |
本研究では,基板に接着している細胞群を隣り同士の結合状態を維持したまま剥がして基板との接着力の影響を排除し,光ピンセットを使って細胞-細胞間へ純粋に力学刺激を与える方法を提案することを目的としている.24年度は,ナノオーダーの細胞外マトリックス(ECM)膜を単一細胞表面に形成し,細胞間相互作用を促進させた積層細胞を用いて,管状の積層細胞構造体を新たに作成した.管状細胞構造体は,オリジナルの液循環装置に接続し,循環培養系を構築した.さらには,管状細胞構造体に対する加圧ならびにせん断力などの機械的力学負荷を与え,細胞-細胞間の力学的強度ならびに力学刺激応答の評価系を構築した.積層細胞は,ECM膜としてフィブロネクチン(FN)とゼラチン(G)を用いて,0.04 mg/ml FN/Tris-HCl緩衝液(50 mM,pH=7.4)及び0.04 mg/ml G/Tris-HCl緩衝液(50 mM,pH=7.4)に細胞を交互に浸漬することによって作成した.昨年までのセルインサートから,より外部との液交換・ガス交換が行い易いインサートに変更することで,約10層の積層細胞の構築に成功した.管状細胞構造体を接続した循環培養系において,管状細胞構造体内部へ1 kPaの負荷で約400 µmの管径ひずみを確認した.当初の平面状の細胞構造体への力学負荷を計画していたが,血管や心臓のような中空構造体を作成することに成功したことから,より生体に近い環境下における力学負荷を達成することができた.
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