2011 Fiscal Year Research-status Report
コラーゲンの光学情報に基づいた生体老化測定装置の開発
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23650260
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
荒木 勉 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (50136214)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福島 修一郎 大阪大学, 基礎工学研究科, 助教 (40362644)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 老化 / 蛍光寿命 / 生体計測 / 歯 |
Research Abstract |
歳をとると皮膚の張りの低下、水晶体の黄濁、動脈の硬化、骨密度が低下しないのに骨折しやすいなどの症状が現われるが、これにはコラーゲンが大きく関与している。骨を例にとれば、骨のコラーゲン線維が血糖の働きで非酵素的なメイラード反応を起こした結果、Advanced Glycation Endproducts(AGE)と呼ばれる分子間架橋が形成され、ヤング率が増加したことが易骨折の原因である。皮膚の硬化、血管の脆性増大も同様な反応が一因である。したがってコラーゲン量と同時にその質的な変化をモニターできれば老化の指標が得られ、病変予知にもつながる。そこで生体組織にパルスレーザー光を照射し、得られる第二高調波発生光とナノ秒蛍光をもとにコラーゲンの量的・質的変化の情報を取得し、老化の指標を得ることを目的としている。そこで今年度は蛍光に限定し、レーザーダイオードを使った老化診断システム実現の可能性を探った。 現有の蛍光計測システムを改良しスポット径100ミクロンでのナノ秒蛍光の計測が可能となった。時間分解能は10ピコ秒であり、1スポット点当たりの計測時間は1秒である。この装置を画像計測へ拡張し、多スポット計測結果を集合して画像を構築するシステムを試作した。評価のために試料として硬組織である人の歯を用いた。歯を小ブロックに切断し、脱灰した後にリボース液中で振盪してメイラード反応を促進させた。上記の装置を用いて、試料ブロックの蛍光特性を経時追跡した。また、試料の硬化度を応力ー歪計測装置で測定した。その結果、メイラード反応が進むと蛍光強度が増大し、また蛍光寿命が減少し、さらに硬度が増大することを確認した。これによってメカニカルな情報が光学的に得られることがわかり、老化情報検出の可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
パルスレーザーダイオードを光源として、組織レベルにおける蛍光寿命マッピングが迅速かつ正確に行えるようになった。またメイラード反応を人工的に進めた結果、コラーゲン架橋が増大して、蛍光特性と機械特性が変化したことを確認した。歯についての機械特性の変化は本研究によって初めて認められた。以上、当初の計画である蛍光寿命測定装置の開発は順調に進み、また硬組織老化に対する新たな知見も得られたことで、表記の自己評価となった。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)小型安価半導体レーザーの使用を試みて、当初の目標でもある「エイジングチェッカー」を試作する。レーザー駆動については徳島大学の岩田教授の協力を得る体制にある。(2)医科学系研究者の協力で各種生体組織を調達し、蛍光情報と理学的所見および生理学的所見との整合性を議論しすることで実用性の評価を行う。(3)バイオメカニクス的な考察を行い、老化に対する総括的な検討を進める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
前年度繰越金が323,500円あり、今年度交付の900,000と合わせて1,223,500円の研究費が使用できる。備品の購入予定はない。使用内訳は、試薬などの物品購入費が90万円、旅費(学会における成果発表と研究打ち合わせ)が25万円、その他(計算機使用料など)が7万4千円である。
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Research Products
(2 results)