2012 Fiscal Year Annual Research Report
自己集合性ペプチドゲルを用いた3次元培養ストレッチシステムの開発
Project/Area Number |
23650264
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
成瀬 恵治 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (40252233)
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Keywords | 再生医療 / 機械刺激 / スキャフォールド / 自己集合性ペプチド |
Research Abstract |
これまで再生医療では細胞を増殖・分化させる手段として、日常的に生体内で発生している機械刺激を応用するという発想はなかったことから、本研究では独自開発した自己集合性ペプチドゲルをスキャフォールドとした3次元培養ストレッチシステムを作製し、ゲルへの伸展刺激を最適化することで、再生組織をより生体に近づけることができるかどうかを明らかにすることを最終目的とした。 平成24年度(最終年度)の研究では①発泡PDMSシート、および②鋳型を用いて作成したPDMSシート(縦x横x高さ=20x1x2mm、側面にφ=1.2mmの穴x8)を垂直に2枚ならべてその間に一定容量の自己集合性ペプチドゲルを挟むことのできる培養器について再評価し、いずれの培養器を使用しても、マウス筋芽細胞を包含する自己集合性ペプチドゲルに10%、5分間の伸展刺激を加えることで細胞内ERKおよびP38のリン酸化が促進されることを確認した。ただし、ゲルの脱離の発生頻度を考慮した場合、①の培養器を用いた方がより安定した結果が得られ、用いる細胞/ゲルの混合物の容量を90uLにすることで機械刺激を安定して細胞に伝えることが確認された。また、①の培養器を用いた培養において、伸展率を10%から15%に拡大するとERKのリン酸化がさらに向上する事象を確認するに至り、3次元培養ストレッチシステムの完成度を高めることができた。 本研究で用いた自己集合性ペプチドゲルは株式会社メニコンから製品化され(製品名PanaceaGel)、研究期間中に発表した論文 Biomaterials 33(4): 1044-1051, 2012の内容が評価されたことで平成23年度日本生体医工学会において新技術開発賞を受賞した。
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Research Products
(3 results)