2012 Fiscal Year Research-status Report
脳機能解析に基づく癒し感の定量化と疾患の痛み緩和効果の検証
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23650265
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
鈴木 桂輔 香川大学, 工学部, 准教授 (80373067)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸茂 喜高 日本大学, 生産工学部, 准教授 (00409088)
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Keywords | 介護 / 脳機能解析 / 自律神経 |
Research Abstract |
「癒し感によるよる疾患の痛みの緩和手法の提案」の一環として,音楽療法による癒し効果,脳機能の賦活効果について分析した.具体的には,歌唱や聴取を行っている際の,脳の前頭前野での脳血流量や,自律神経系の変動を同時計測することで,どのような歌唱や聴取の順序が脳機能の賦活の観点で効果的であるか分析することを目的とした.このほか,脳血流の酸素化ヘモグロビン濃度(OxyHb)を,脳機能の賦活の程度のほか,精神的ストレスの指標とする評価法が提案されているため,指標をもとにOxyHbで自律神経系の評価を行う指標を提案し,有用性について検証を行った. 得られた主な成果は,以下である.1)音楽を歌唱すると,身体が活動的な交感神経優位の状態になる.その後に音楽聴取や安静にすることでリラックスさせると,OxyHbが増加し,脳機能が賦活することを確認した.2)「歌唱で交感神経優位→リラックスした副交感神経優位」という変化が重要であり,音楽の聴取で交感神経優位となる人は,歌唱後に音楽聴取をせず安静とする方が脳機能の賦活レベルが大きくなり,認知症予防に効果的であると予想された.3) OxyHbを用いて自律神経系の評価を行うRLSについて検証した結果,CSIが大きく変化する場合にはRLSも変化する傾向がみられ,RLSが交感神経の活動レベル指標として活用できる可能性を示すことができた. なお,成果報告として,以下を含む3件の学会発表を行った. 1)Effectiveness of music therapy on the activation level of cerebral function,Proceedings of 2012 Ergonomics Society of Korea Spring Conference, Korea-Japan Joint Session, 2012 May(査読有)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成24年度では,個人個人の香りに対する嗜好性やメンタルモデル(ある感覚刺激に対して特定の状況を連想)に適合し,かつ,慣れによる感覚刺激の低減を抑制できる嗅覚や聴覚刺激,および温感刺激を提示する方法を例示することを目的としていた.聴覚刺激に対する生体への影響については分析が概ね終了したが,聴覚刺激による研究課題が多く発生したため,嗅覚刺激,温感刺激による生体への影響分析については,十分な進展が得られていない. 臨床現場でのインフォームドコンセントが十分に得られないケースが多かったためである.
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Strategy for Future Research Activity |
調査への参加を依頼する高齢者施設の倫理委員会と十分な調整を図ったうえで,臨床現場での調査が円滑に実施できるように進める.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究成果の学会発表 生体計測用ソフトウェアライセンス料金 実験参加被験者謝金
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Research Products
(4 results)