2011 Fiscal Year Research-status Report
皮膚組織細血管の3次元画像計測によるメラノーマとホクロ及び火傷深度の判定
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23650279
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Research Institution | National Institute of Technology, Toyama College |
Principal Investigator |
八賀 正司 富山高等専門学校, 商船学科, 教授 (80123305)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安東 嗣修 富山大学, 医学薬学研究部(薬学), 准教授 (50333498)
石田 弘樹 富山高等専門学校, 電子情報工学科, 准教授 (50413761)
清水 忠道 富山大学, 医学薬学研究部(医学), 教授 (70260396)
秋口 俊輔 富山高等専門学校, 電子情報工学科, 助教 (50462130)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 生体情報・計測 / 病態解析 |
Research Abstract |
レーザーのシート光と光ファイバーアレイを活用した多点同時計測レーザードップラー血流測定(MLDV)方法及び装置 ((1)体内(in vivo)の血流速を高次空間分解能による直接測定、(2)血管の有効内径と、血管内の血流速分布とその時間変動の計測、(3)細血管の三次元マッピングが可能)を応用して、皮膚組織の血管血流情報の三次元イメージング測定を完全非侵襲で行い、「火傷の深度を判定」及び「悪性黒色腫を識別」する完全非侵襲な新規診断法の開発を目的とする。本年度の研究実績の 概要を以下に示す。1.装置の再改良:後方散乱型MLDV装置のS/N比を向上させかつ測定体積を小さくするために、(1)測定体積でのレーザシート光の厚みを薄くし、レーザパ ワーの密度を上げた。(2)光ファイバの外径を0.25mmから0.125mmに細くし、測定体 積のX軸およびY軸方向に対する分解能を向上させた。(3)受光系にスリットを設け、測定体積のZ軸方向(光軸方向)に対する分解能を 向上させた。2.再改良を行った反射型血流情報装置を用いて、マウスにおけるメラノーマ(皮膚癌細胞)移植部位(耳)の血管及び血管内の血流速情報を持った二次元画像を求めた。悪性黒色腫・腫瘍血管の成長過程における微細な特徴のパターンを評価 し、腫瘍血管及び血流速度変化を指標とした新たな腫瘍の悪性度分類・病態解析を行った。3.火傷の重症度は,組織再生にとって重要な血液の流れの有無が重要となってくる。そこで,皮下組織にある血管に血液が流れている場合と、流れていない場合の血管血流速情報を持った血 流速二次元画像を求めた。血液が流れている血管の走行及び血管内の血流速情報を持った二次元画像はイメージできるが、血液が流れていない 血管の二次元画像は求めることが出来ないなどから、皮下組織の血管内の血流の有無が火傷の深度判定の指標となる可能性を検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究目的:血流測定装置を応用して、皮膚組織の血管血流情報の三次元イメージング測定を完全非侵襲で行い、「(1)火傷の深度を判定」及び「(2)悪性黒色腫を識別」する完全非侵襲な新規診断法の開発を行う。(3)非接触・非侵襲で、火傷した皮膚のどの深さまでの血管が助かっているかを数値的に判断、及び(4)メラノーマとホクロの判定・診断を行う。現在までの達成度について、目的欄の項目ごとに評価とその理由を記す。1.(1)と(3)に付いて:三次元画像の予備実験を行っており、2mm程度までの深部の血管血流情報が得られることが分かった。火傷の重症度は,組織再生にとって重要な血管内の血液の流れの有無が重要となってくる。血液が流れている血管の走行及び血管内の血流速情報を持った二次元画像は求めることが出来たが、血液が流れていない 血管の二次元画像は求めることが出来ないなどから、皮下組織の血管内の血流の有無が火傷の深度判定の指標となる可能性がある。⇒おおむね順調2.(2)と(4)について:ホクロのあるマウスを作製することは困難であった。ホクロには腫瘍血管などの細血管が見られないことから、ホクロのあるマウス耳部の血管血流情報は癌を移植する前の血流画像と考え、癌を移植する前の血管血流情報の2D画像を求めた。3.さらに、マウスにおけるメラノーマ(皮膚癌細胞)移植部位(耳)の、皮膚癌の成長過程の写真、及び、それらの写真に対応した皮膚癌部位の血管内の血流速情報を持った二次元画像を求めることが出来た。悪性黒色腫・腫瘍血管の成長過程における微細な特徴のパターンが評価でき、腫瘍血管及び血流速度変化を指標とした新たな腫瘍の悪性度分類・病態解析が可能となった。⇒おおむね順調。
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Strategy for Future Research Activity |
1.後方散乱型血流情報装置を用いて皮膚がん細胞の血管血流情報の二次元イメージング測定を行い、全層皮膚下での血管血流速の二次元分布を求め、流速情報を持った血流速二次元画像を求める。血管新生が盛んにおこなわれている座標情報を評価・解析。皮膚組織に移植したメラノーマ腫瘍血管の成長過程における形態学的評価→悪性黒色腫の悪性度の分類・病態解析を行う。2.研究計画の一部変更:本研究の皮膚癌診断装置のレーザーパワーを2倍にすれば、測定部位となるレーザー平面の交差線には、4倍のレーザーパワーが集光することになり、交差線上に黒い色素の皮膚癌があれば、近赤外光は皮膚癌の黒い色素に吸収され、皮膚癌は加熱され、癌細胞のみを破壊することができれば、皮膚癌治療装置になる可能性がある。モデル動物を用いて、皮膚癌を診断できる本装置の皮膚癌治療装置としての可能性を検討する。3.研究計画の一部変更:乳癌モデル動物を作成し、乳癌細胞の血管血流情報の三次元イメージング測定を行い、全層皮膚下での血管血流速の三次元分布を求め、流速情報を持った血流速三次元画像を求める。血管新生が盛んにおこなわれている座標情報を評価・解析。乳癌腫瘍血管の成長過程における形態学的評価→悪性黒色腫の悪性度の分類・病態解析を行う。4.研究計画の一部変更:火傷の重症度は,組織再生にとって重要な血液の流れの有無及び血管内の血流速の測定が重要である。血管が動脈の場合、血流速の時間変化を求めることが最重要となる。マウスの動脈及び静脈内の血流速の時間変化を求める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
物品費 消耗品費(小計 85万円)を計上している。内訳は、新規の光検出用のアンプの電子部品や現有のアンプなどの修理及び補充用の電子部品を購入するための電子部品を20万円、光システムの構築のための光学部品を30万円、実験動物関連として20万円、麻酔や皮膚癌などの培養するための試薬等を10万円、プラスティック器具として5万円を計上している。 旅費(小計15万円)を計上している。成果発表として、7万円教授1名2回富山―東京学会発表及び富山ー長野、さらに調査研究費として8万円准教授2回富山―名古屋。人件費・謝金(小計10万円)を計上している。内訳は学生謝金として10万円その他(小計20万円)を計上している。内訳は、外注プログラム(脈動グラフ及び新バリデーション機能追加)費として15万円、論文投稿料として5万円である。
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Research Products
(7 results)