2012 Fiscal Year Annual Research Report
皮膚組織細血管の3次元画像計測によるメラノーマとホクロ及び火傷深度の判定
Project/Area Number |
23650279
|
Research Institution | 富山高等専門学校 |
Principal Investigator |
八賀 正司 富山高等専門学校, 商船学科, 教授 (80123305)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安東 嗣修 富山大学, 医学薬学研究部(薬学), 准教授 (50333498)
石田 弘樹 富山高等専門学校, 電子情報工学科, 准教授 (50413761)
清水 忠道 富山大学, 医学薬学研究部(医学), 教授 (70260396)
秋口 俊輔 富山高等専門学校, 電子情報工学科, 准教授 (50462130)
|
Keywords | 皮膚癌 / 診断 / レーザードップラー流速計 / in vivo 計測 / 血管内の血流速 / 非侵襲 / 新生血管 |
Research Abstract |
癌原発巣では,血管の新生が盛んである.癌原発巣の早期発見のため,癌原発巣での癌細胞増殖に重要な新生血管の血流に着目した.本研究では,皮膚癌モデルマウスを用いて癌原発巣の早期発見を行うべく,メラノーマの成長に伴う腫瘍周囲の新生血管の流速変化を詳細に調べた. マイクロPIVや共焦点PIVでは,In-vivoかつ非侵襲的に,生体内の血流速分布を測定することが困難であるが,代表者らが開発してきた後方散乱型多点レーザードップラー流速分布測定装置(MLDV)を改良し,生体内の血流速分布の測定を実施し,以下の結論を得た. (1)生体組織に対して透過性の高い波長808 nmのレーザーを用い,スリットを設け,さらに特化した信号処理で演算することで,後方散乱型MLDVのSN比は大幅に改善した. (2)スリット幅を0.05 mmまで狭くすることで,奥行き方向の分解能が改善したため,モデル動物の耳部の血管内流れについて,3次元的速度分布を得ることができた. (3)PIVでは,レーザーシート光の入射や高感度高速度ビデオカメラの生体透過性の問題から,本研究で行ったことを,PIV法で実施することは極めて難しい.既存の非接触型LDVを用いた血流イメージング装置によって,血流量やその流速を測定することは可能であるが,得られる結果が相対値であるため,本研究で実施したような日を変えて測定した血流速を評価できない.本研究で示した方法では,血流速を絶対値として測定している. (4)モデル動物の耳部に移植した皮膚癌部位の血管の流速情報を持った2次元画像を取得し,癌細胞の増殖に伴い血流速が増加することを後方散乱型MLDVによって確認できた.また,血液流れのない血管の流速情報は流速の値がゼロに近いことから,血管の流速情報を持った2次元及び3次元画像は皮膚癌と黒子(ホクロ)の診断に有効であると考えられる.
|
Research Products
(13 results)