2012 Fiscal Year Annual Research Report
細胞親和性及び骨再生を促進する環境応答性ドラッグキャリヤーの開発
Project/Area Number |
23650282
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
穴田 貴久 東北大学, 歯学研究科(研究院), 准教授 (30398466)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 治 東北大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (60374948)
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Keywords | ドラッグデリバリー / 骨再生 |
Research Abstract |
本研究の目的は、細胞-細胞間で行われている情報伝達システムを模倣したマテリアル-細胞間情報伝達を可能とする画期的なバイオ分子システムを構築し、新規骨再生治療法へと応用することである。具体的には、刺激応答性を有するナノ構造体(リポソーム)にリン酸カルシウム特異的結合部位を導入し、独自開発のリン酸カルシウム骨再生担体表面に組織化する。また、このリポソームに細胞接着ペプチドを修飾することで、骨形成を担う細胞を担体近傍に引き寄せる。担体から放出されるイオンを情報伝達物質として、担体→ナノ構造体→細胞への骨形成指令伝達システムを構築する。このシステムにより、これまでには困難であった自家骨移植法に匹敵する高い骨再生能を人工材料で達成する画期的骨再生治療法の確立を目指す。 24年度は新規リン酸カルシウム結合性脂質の合成とリポソームの調整、改良を行った。合成したポリエチレングリコール鎖を有する脂質はリポソームの安定性を向上させることがわかった。この高分子リンカーを有するリポソームは疎水性低分子薬剤を内部に取り込むことができ、時間依存的に薬物が徐放されることがわかった。リポソームを吸着させる骨再生担体についても検討を進め、リン酸オクタカルシウム(OCP)をゼラチン存在下で合成したOCP/ゼラチン担体はこれまでのOCP担体に比べて高い骨再生能を有することを見出した。このOCP/ゼラチン担体に合成したリポソームを結合させ、骨芽細胞培養を行った。また、OCP合成時に亜鉛イオンを添加することで亜鉛含有OCPを合成することができ、担体から亜鉛イオン、リン酸イオンの放出があることがわかった。この結果をAppl Sur Sci誌へ投稿し、受理された。
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