2012 Fiscal Year Research-status Report
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23650284
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
岸田 晶夫 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 教授 (60224929)
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Keywords | 濃厚ブラシ表面 / リビングラジカル重合 / 金属酸化膜 / ナノ構造 |
Research Abstract |
超高感度バイオセンサー表面を形成するために、金属相とタンパク質などの有機材料との分子-原子距離を極限まで短くする方法論を提案している。具体的には金属表面に密度を調整したポリマーブラシを形成し、その間隙に電析を行って金属とポリマーが分子レベルで共存するメタルブラシ相を形成する。メタル-ポリマー界面(タンパク質)間の高効率情報交換により、新しいセンサー材料の開発が可能になると期待できる。今年度の実績は以下の通りである。 1)ポリマーブラシと金属酸化被膜の作製方法と特性評価について:昨年度に引き続きポリマー・金属ハイブリッド作製を行った。チタン表面に安定に酸化皮膜層を形成する条件について検討を行った。原子間力顕微鏡(AFM)、エリプソメーターを用いて酸化皮膜層を評価し、金属薄膜形成条件の最適化を行った。金属表面にリビングラジカル重合法であるATRP反応を利用しポリHEMAブラシを作製した。重合条件により分子鎖の密度、厚さを変化させることを確認し、超高密度から低密度までのブラシ層形成を行った。両者の検討の後、ポリマーブラシの厚さに合わせて、種々の金属酸化被膜の作製を行い、金属酸化物とポリマーのハイブリッド化表面を調製した。XPSやAFM測定により、目的の表面が得られたと推測されたが、ブラシ層の密度や厚さによるハイブリッド層形成については、安定した成果が得られなかった。酸化層形成の際の積層のエネルギーが非常に大きなことが推測された。 2)ポリマー・金属ハイブリッドブラシ作製方法の確立について:上記から得られた結果に基づき、ポリマーと金属のハイブリッドブラシを作成する条件を検討した。電析を実施する際の通電条件について種々の検討を行い、知見を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
金属酸化物との複合化については再現性が得られたが、ハイブリッド層形成の精密な制御については課題が残っている。目的とする金属とのハイブリッド化を検討しているが、金属との複合化の際のポリマー鎖の安定性に加えて、通電条件について、慎重な検討が必要なため、おおむね順調と評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
金属とポリマーのハイブリッド層形成に注力し、通電条件を精緻に設定する方法について検討する。具体的には、ごく短時間の通電や電極間距離を大幅に延長するなどの対策を考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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