2011 Fiscal Year Research-status Report
トリプルセキュリティーシステムによる超細胞特異的遺伝子送達システム
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23650290
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
片山 佳樹 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70284528)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 遺伝子送達 / DDS / ナノ粒子 / ナノメディスン / プロテインキナーゼ |
Research Abstract |
本研究では、これまで開発してきた細胞内プロテインキナーゼに応答して遺伝子を解放できいる遺伝子送達システムにおいて、その血中安定性と細胞取り込み効率の向上を目ざすことを目的としている。具体的には、まず、遺伝子制御型キャリヤーと遺伝子の複合体の安定化を実現し、これに熱応答デバイスとして金ナノロッドを混合して被覆した粒子の開発を最終目標とする。今年度は、まず、複合体の安定化の検討としてPEG鎖の導入、疏水基の導入の検討を行った。その結果、PEG鎖の場合は、導入率を高くするほど安定化は達成できるが遺伝子の抑制能が低下することが明らかとなった。一方、疎水基ではコレステロールなどの導入により複合体を劇的に安定化させることが可能となった。一方、体内動態の検討より、複合体のままでは肝臓への集積が著しいことがわかり、被覆の重要性が明らかとなった。金ナノロッドの検討では、その表面の被覆により疎水化、親水化いずれも達成でき、前記複合体と混合可能なロッドの調製が可能となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
複合体のシリカ被覆の検討はH24年度になっているが、シリカ被覆を達成するための複合体の安定化と金ナノロッドの修飾法の開発が達成できており、本システム構築のためのかなりのハードルが克服できたといえる。したがって、おおむね順調に進展しているとした。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度はシリカ被覆の検討を主に行う。被覆はそのシリカ層形成速度と時間に依存して厚さと放出速度が変化する。そこで、まず、ナノクリスタル法で薬物のナノ結晶を調製し、これをモデルとしてシリカ層の最適化条件を決定する。その際、各被覆粒子を細胞とマウスを用いて動態とがんへの集積性を評価する。その後、H23年度に調製h詩t複合体を被覆し、細胞とマウスで評価する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
H24年度は、粒子の調製において、種々の被覆粒子を調製せねばならず、また、その都度、細胞とマウスでの評価を行うため、予算の大部分は合成用試薬類、生化学用試薬類、細胞実験用消耗品類、実験用マウスなどの消耗物品類に使用する。また、成果の発表のため学会への参加費と旅費、論文の掲載料、英文校正料にも使用する。
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Research Products
(25 results)