2011 Fiscal Year Research-status Report
物質依存性イオンチャネル様フィードバック機能を発現するナノカプセル設計
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23650292
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
原田 敦史 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50302774)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | ナノカプセル / 自己組織化高分子 / 糖尿病治療 |
Research Abstract |
生体系での種々物質濃度調節を司っている物質依存性イオンチャネルは、特定物質の結合によりチャネル及びゲートが短時間開くことにより特殊な機能を発揮している。本研究では、物質依存性イオンチャネルの機能発現機序に啓発された薬物キャリア設計に取り組む。 本年度は、グルコース依存性イオンチャネルともいうべき機能を付与する基盤となる、樹状高分子でポリペプチドからなるヘッド-テイル型ブロック共重合体自己組織体への架橋構造導入による安定化を検討し、得られた中空ナノカプセルの特性解析を行った。PAMAM dendronとpoly(L-lysine)(PLL)からなるヘッド-テイル型ブロック共重合体(PAMAM dendron-PLL)を既に確立されている合成方法により合成した。得られたPAMAM dendron-PLLをメタノールと水の混合溶媒(体積比1:1)に溶解させた後、メタノール含率80 vol%までメタノールを滴下することによってナノカプセルを形成させた。このナノカプセル溶液に架橋剤として、両末端にepoxy基を有するethylene glycol diglycidyl etherを種々比率で添加することによって、PLL連鎖間に架橋構造を導入し、構造安定化を行った。構造安定化を動的光散乱測定及び透過型電子顕微鏡観察により確認した。また、得られた安定化ナノカプセルの特性のpH依存性について検討を行い、PLL部のへリックス―コイル転移に同期した可逆的な膨潤・収縮挙動を示すことを確認した
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り初年度に構造安定化ナノカプセルの調製に成功し、その特性解析を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
平成23年度に調製方法を確立したナノカプセルへのグルコース応答能付与を行い、グルコース依存性イオンチャネルともいうべき機能を発現するナノカプセルの調製に取り組む。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
ナノカプセル安定化に関する研究を当初想定したより効率よく進めることができた。その結果、次年度に研究費を使用することになるが、次年度の研究では比較的高価な試薬類を消耗品として使用する予定となっている。このような実験系では、種々試薬の適応性から検討する必要があるため、そのために使用する予定である。
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