2012 Fiscal Year Annual Research Report
物質依存性イオンチャネル様フィードバック機能を発現するナノカプセル設計
Project/Area Number |
23650292
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
原田 敦史 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50302774)
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Keywords | ナノカプセル / フェニルボロン酸 / グルコース |
Research Abstract |
樹状高分子であるpolyamidoamine (PAMAM) dendronのフォーカルポイントからポリペプチドであるpoly(L-lysine) (PLL) を伸長したヘッド-テイル型ポリカチオンのPLLテイル鎖のへリックス-コイル転移を水/メタノール混合溶媒中で誘導することにより、単分散ポリマーベシクルを得た。このポリマーベシクルへグリシジル基を両末端に有する架橋剤を添加し、PLLテイル鎖間での架橋によるベシクル構造の安定化を行った。溶媒を水へ置換した後、凍結乾燥したサンプルについて架橋剤反応率をPLL側鎖アミノ基を定量することに算出した。また、水へ置換する前に縮合剤を用い、4-carboxy-phenylboronic acidをPLL側鎖アミノ基へ導入した。架橋剤反応率との差からフェニルボロン酸基導入率を算出した。 このようにして得られたフェニルボロン酸基を導入・未導入ナノカプセルについて、平均粒径のpH依存性を評価した。未導入ナノカプセルは、PLL側鎖アミノ基のプロトン化に依存した粒径変化を示す酸性条件で膨潤、塩基性条件で収縮状態となった。これに対して、フェニルボロン酸基を導入したものを酸性・塩基条件の両条件で膨潤し、中性条件では収縮状態となった。塩基性条件下では、フェニルボロン酸基がアニオン性4価となるため膨潤したと考えられる。このようにナノカプセルのサイズ変化へフェニルボロン酸基の特性が寄与することから確認されたことから、フェニルボロン酸基がグルコースと結合することによる荷電状態変化によってもサイズ変化を示すナノカプセルが調製できると考えられる。
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