2012 Fiscal Year Annual Research Report
光熱特性制御型デンドリマー-金ナノハイブリッドのワンポット作製と癌治療への展開
Project/Area Number |
23650293
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
河野 健司 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90215187)
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Keywords | ナノバイオ |
Research Abstract |
本研究では、金ナノロッド形成時にシスタミンコアデンドリマーを共存させることで金ナノロッドをコア部にもつデンドリマーの構築を試みた。種々の世代のシスタミンコアデンドリマーにポリエチレングリコール(PEG)を反応させることでシスタミンコアをもつPEG修飾デンドリマーを作製し、このデンドリマーの共存下での金ナノロッド作製を行った。第2世代のPEG修飾デンドリマーの共存下では30ナノメートル程度の大きさのロッド状の形状をもつPEGデンドリマー金ナノロッドハイブリッドが得られた。第3世代のPEG修飾デンドリマー共存下においては、30ナノメートル程度の大きさの球状のハイブリッドが得られた。また、第4世代のPEG修飾デンドリマー共存下では、より大きな凝集体が生成した。これらの結果から、第3世代のPEG修飾デンドリマーを用いることでPEGデンドロンと金ナノロッドコアからなるハイブリッドデンドリマーが得られることがわかった。 また、温度応答性を有するオリゴエチレングリコール修飾シスタミンコアデンドリマー共存下において、金ナノロッドの作製を試みた。その結果、デンドリマーと金ナノロッドの複合体は形成されるが、そのコロイドとしての安定性は低く、凝集しやすいものであった。金ナノロッド表面を覆うデンドロンが嵩高くなく立体的に十分安定化されないためと考えられる。 さらに、得られたPEG修飾デンドリマーと金ナノロッドから成るハイブリッドデンドリマーを用いた光熱療法への応用について検討した。子宮頚がん由来HeLa細胞にハイブリッドデンドリマーを加えて取り込ませた後、近赤外レーザー光を照射し、細胞生存について調べた。その結果、ハイブリッドデンドリマーを取り込ませ、光照射した細胞のみが効果的に死滅した。この結果は、このハイブリッドデンドリマーが光熱治療デバイスとして有用であることを示している。
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