2012 Fiscal Year Annual Research Report
脳血管診断のための頸動脈血流・脈波伝播特性の高精度解析
Project/Area Number |
23650299
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
長谷川 英之 東北大学, その他の研究科, 准教授 (00344698)
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Keywords | 脈波 / 血流 / 流線 / 血管動態 / 超音波 |
Research Abstract |
我が国の死因の3 割近くを占める循環器系疾患の主な原因である動脈硬化症の早期診断は重要な課題である.動脈硬化の診断には血流速度計測が行われるほか,血管壁の弾性特性(硬さ)を評価できる脈波伝播速度法が広く用いられている.しかし,現在の血流速度計測法は超音波ビーム方向のみの速度成分しか計測できず,複雑な流れの測定には不向きである.また,脈波伝播速度は速いため(数m/s),心臓から手首もしくは足首までの非常に長い伝播経路間の平均的な特性しか評価できず,また,脳梗塞と関係する脳血管状態も診断できない.本研究では,超音波断層像の撮像速度を従来の数十Hz から数千Hz まで向上させた独自の超高速イメージング法を用いて,局所の脈波伝播特性を解析し,脳血管系の機械的特性を反映していると考えられる脈波の反射波を検出する手法を開発する.本年度は,前年度に引き続き(1)頸動脈局所脈波伝播特性の解析および(2)血流イメージング法に関する検討を行った.(1)については,前年度開発した,頸動脈壁振動の加速度波形から局所脈波伝播速度を推定する手法により推定された脈波伝播速度の極性から伝播方向を特定して反射波を検出し,反射波の振幅を確認したところ,健常者においては反射波の振幅が入射波の10分の1程度であることが分かった.動脈壁の弾性率が上昇すると(硬くなる),入射波に対する反射波の比(反射率)が高くなると考えられることから,本手法により反射波を検出してその振幅を推定することで,動脈硬化症による脳血管系硬化の検出可能性が示唆された.(2)については,前年度は血流画像の時間方向平均幅を大きくすることで流れの軌跡を描出していたが,描出された流線は不鮮明なものであった.そこで,得られた血流画像を空間周波数分析することにより,流線を明瞭に描出する手法を開発した.
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Research Products
(21 results)