2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23650301
|
Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
山越 芳樹 群馬大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (10174640)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
|
Keywords | 微小循環 / 加圧光センサ法 / ランバートベアー則 / 生体光計測 |
Research Abstract |
加圧光センサ法を用いて微小循環機能を評価するためのシステムを検討することが目的であるが、本年度は、実験装置の設計、試作、基礎実験の遂行、および末梢血管系の電気回路モデルを用いた測定パラメータの評価を行った。装置の設計、試作では、単色光源と光検出器を持つ反射型光センサ、この光センサを収縮期血圧以上の一定圧力で皮膚に押し当てる加圧機構、得られた受講強度曲線から組織の光吸収を推定するアルゴリズムの開発、および末梢血管の血液の流れに関するパラメータ推定法を行った。用いた基礎実験の実験プロトコルは以下の通りである。(1)2心拍の間加圧光センサで指尖部を加圧し(強加圧:252mmHg)皮膚直下血管の血液を流出させ、その後3心拍の間、加圧力を低下させ(弱加圧:69mmHg)血液を再還流させる。(2)5秒間の休止時間を置いて、強加圧―弱加圧―休止のシーケンスを繰り返し(1回のシーケンスにかかる時間:約10秒)、血液流失と再還流時の血液量相当パラメータの変化を観測する。この実験により、強加圧終了時(血液流出終了時)の毛細血管由来の残留ヘモグロビン相当量Qr、弱加圧時に推定できる細動脈由来の脈波の振幅ΔQp、弱加圧時に推定できる細動脈由来の脈波の時定数τを用いて、マンシェットによる上腕部駆血解除前後のパラメータ変化を評価した。20歳代男性3名に対して測定を行ったが、Qrは駆血解除後1.5分程度で一定値に収束し、ΔQpは駆血解除後80秒程度でピーク値に達したのに対し、τは40秒程度で一定値に収束するような各パパラメータが異なる時定数を持つ変化を示した。今後、実験を積み重ねて更に検討することが必要であるが、提案法より微小循環機能に関する知見が得られる可能性が示された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度の研究目標である、装置の設計、試作を終了することができた。この過程で、新光センサについて受光強度が当初予想より小さかったために、S/Nを向上させる回路の工夫(チョッピングアンプ)が必要になりこの開発に時間がかかったが、年度末に完成させることができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
装置の設計、試作、基本実験には成功しており、今後、多数のボランティアを募り実験を行っていくとともに、回路のS/Nの向上のために改良を加え、また測定データからのパラメータ推定について、検討を重ねていく予定である。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
装置の設計、試作は平成23年度に終了しており、平成24年度はこの装置を用いて基礎実験を行う。このための経費が必要である。
|
Research Products
(2 results)