2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23650301
|
Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
山越 芳樹 群馬大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (10174640)
|
Keywords | 微小循環 / 生体光計測 / 血流依存性血管拡張反応 / ランバートベアー則 / プレスチモグラフ / 加圧光センサ |
Research Abstract |
皮膚表面下の毛細血管の血液流出を観測するために、光センサとLEDの光(可視光)を用いることによって非観血的で容易な測定法を提案する。光(可視光)は、生体内においてヘモグロビンやその他の生体構成物質の吸収が大きく、殆ど透過することができない。しかし、皮膚に圧を印加する事により毛細血管中から血液が流出すると、それに伴って血液(ヘモグロビン)が減り、圧印加前と比べ、生体内での光の吸収が減少する。つまり、圧印加によって毛細血管中の血液が流出し、血液量(ヘモグロビン量)が少なくなるにつれて光が透過することになる。この時の受光強度の変化を観測することで、毛細血管中の血液量(ヘモグロビン量)の変化を測定でき、血液の粘性を計測できることになる。本研究では、上記の原理を基に非侵襲的で容易に毛細血管中のヘモグロビン濃度を計測できる装置を開発し、毛細血管中のヘモグロビン量と、血液流動特性を評価する方法を提案することを目的としている。 今年度は、昨年度に試作した測定装置を用いて基礎実験を行った。実験プロトコルとして、強加圧(252mmHg)の圧力を2心拍分、その後、弱加圧(64mmHg) を3心拍分の間印可するシーケンスを繰り返した。この時の受光強度変化から強加圧終了時の残留血液量、弱加圧時の血液再灌流量などを測定パラメータとし、血流依存性血管拡張反応によるパラメータの変化を測定した。従来のプレスチモグラフ法で測定した結果との比較では、本手法で測定されるパラメータの1つが良い相関を示した。この結果は本手法で細動脈の拍動による血液量変化を精度良く測定できていることを示している。一方、本手法法で測定された微細血管に関するパラメータは、従来測定されてきた動脈拡張の応答と異なる応答を示すことが分かり、これは、本手法を用いて微細血管についての新たな特性を評価できる可能性を示している。
|
Research Products
(1 results)