2013 Fiscal Year Annual Research Report
診療における集積知を活用する新しい臨床支援情報システムの研究
Project/Area Number |
23650302
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大江 和彦 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (40221121)
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Keywords | 医療情報システム / 電子カルテ / 類似検索 / 診療意思決定支援 |
Research Abstract |
本研究は、診療情報データベース(DB)を医療行為の「集積知」として捉え、日常診療において、過去の診療類似パターンにおいてどのような診療行為により診療結果が得られたかをリアルタイムに実例として医師に提示し、医療の質・安全の向上をめざす。リアルタイム臨床支援のための「集積知」提示機能を根幹に持つ未来型臨床情報システムの基盤技術とする。初年度は診療DB過去3年分の各種オーダーデータを二次利用DBに再構築し、時系列パターン分析と評価を探索的に行った。また診療経過の自然言語データから特定文字列を高速検索できるようにした。2年目は別研究プロジェクトにより構築したSS-MIX2標準ストレージデータを東大生産技術研究所研究室と連携し専用RDBに展開し、診療中の実時間で複雑条件の検索可能性を得た。また症状所見や検査結果の定性表現を電子カルテDBから抽出する手法を検討した。最終年度は、患者属性、検査結果、病名情報、医薬品処方情報の複数の条件をWeb上で設定して症例データを高速に抽出する高速検索DBを匿名化したデータにより試作し基本機能の実装と基本性能の評価を行い、外来診療中の数秒で実現できる性能が得られた。診療の実用には複数医薬品や検査結果異常の組合せパターンをライブラリ化し随時利用できる機能も必要であることがわかった。一方、東大病院の電子カルデータを、データタイプと期間を指定して抽出し、OpenEHR/ISO1360仕様のArchetype準拠データ構造としてMongoDBに蓄積するシステムの開発を行い、1日1回自動実行してデータ抽出できるデータベース抽出基盤の構築ができた。この2つのシステムを統合して実際の診療で運用評価を行う計画であったが、これについては運用の目途は立っているが実システムの複雑性と研究系システムへの接続の安全評価および診療現場への説明に必要な時間的制約により本研究期間中には実現しなかった。
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Research Products
(9 results)