2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23650303
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
田渕 圭章 富山大学, 生命科学先端研究センター, 准教授 (20322109)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 隆 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 教授 (40143937)
和田 重人 富山大学, 大学病院, 講師 (50303219)
池亀 美華 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (70282986)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 超音波 |
Research Abstract |
エピジェネティックな遺伝子発現制御と超音波の関係を明らかにするために実験を行い,今年度は,以下の実験成績を得た. 未分化骨芽細胞のモデルとして骨芽細胞様株MC3T3-E1を用いて実験を行った.相対的に高強度の照射には,デジタルパワーメータ付超音波発生装置を用いて,強度ISPTA (空間ピーク時間平均強度) が0.1-0.3 W/cm2程度の超音波の影響を検討した.低強度照射では,実際に臨床で使用されているセーフスを用いた(30 mW/cm2).MC3T3-E1細胞への0.1 W/cm2の超音波の1日1回,4日間の連続照射により,骨分化の指標の一つであるalkaline phosphatase活性が有意に上昇することが示された.他方,多分化能(骨,平滑筋,脂肪や内皮細胞に分化)を有する間葉系幹細胞TBR31-2 の培養条件を検討した.ヒストンの修飾状況の評価のために,アセチル化,リン酸化やメチル化ヒストン (H2A, H2B, H3 や H4) の抗体を入手し,抗体の反応条件をウエスタンブロット法を用いて検討した.その結果,概ねこの方法に用いることが出来る抗体であることが示された. ヒトリンパ腫細胞株において,0.3および0.4 W/cm2 (各々0.132 および0.144 MPa) の超音波によりDNAの二本鎖切断を伴うアポトーシスが誘導されることを初めて明らかにした.一方.0.1 W/cm2 (0.082 MPa) ではこれらの変化は認められなかった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度は,細胞培養の条件検討,超音波照射条件の検討と細胞分化の評価であった.実績の概要に示したように,研究は概ね良好に進捗した.
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Strategy for Future Research Activity |
超音波により分化状態が変化した細胞のヒストンの修飾状況の評価をアセチル化,リン酸化やメチル化ヒストン (H2A, H2B, H3 や H4) に対する特異的抗体を用いてウエスタンブロット法で行う.次に,種々のヒストン修飾抗体を用いたChIPアッセイを行う.得られたDNAを鋳型にして,分化のマーカー遺伝子のプロモーター領域に対するプライマーを用いたPCR反応を行い,種々のヒストンと分化マーカーの関連性を調べる. GeneChipマイクロアレイシステムの発現解析アレイを用いて,超音波によって発現変動する遺伝子を網羅的に解析する.並行して,幾つかのヒストン修飾抗体を用いたChip on Chip解析によりターゲットヒストン毎のターゲット遺伝子を網羅的に解析する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度の研究を実施するために以下の使用を計画している.試薬類:300千円.培養器具類:200千円.抗体類:100千円.マイクロアレイ試薬類:400千円.国内旅費:100千円.謝金等:50千円.その他(論文投稿費など):50千円.
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Research Products
(1 results)