2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23650304
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
近藤 隆 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 教授 (40143937)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
趙 慶利 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 助教 (90313593)
田渕 圭章 富山大学, 生命科学先端研究センター, 准教授 (20322109)
高崎 一朗 富山大学, 生命科学先端研究センター, 助教 (00397176)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | DNA二本鎖切断 / キャビテーション |
Research Abstract |
超音波が直接細胞内のDNAに与える影響は明らかではない.本研究ではH2AXリン酸化フォーカス形成を中心に、超音波のDNA損傷誘発機構に関して調べ、放射線および温熱のそれらと比較検討した.ヒトリンパ腫細胞株、U937を主として用い、周波数1 MHz、PRF 100 Hz、DF 10%の条件でSonicmaster ES-2 (OG Giken Co., Ltd., Okayama, Japan)を用い照射した.陽性対照としてX線照射や温熱処理を用いた.リン酸化H2AXを特異的抗体による免疫染色法、フローサイトメトリー法、ウエスタンブロット法にて検討した.DNA損傷を中性コメット法による電気泳動度を指標として検討し、また修復タンパクの核局在を免疫染色法にて検討した.キャビテーション指標としてOH・の産生を利用し、DMPOを用いたEPR-スピン捕捉法にて検討した.超音波が放射線や温熱と同様、処理後30分の細胞において照射強度・時間依存的にリン酸化H2AXを誘導し,中性コメットアッセイ法においてもDNA損傷が検出された.NBS1, DNAPK-csの挙動は、放射線のそれと類似したが、ATMは異なった。亜酸化窒素でキャビテーション最終崩壊温度を下げると超音波によるリン酸化H2AXフォーカスは認められず、細胞死も有意に抑制された。一方でDMSOやNACを用いて細胞内外のROSの産生を抑制しても、H2AXの有意な抑制はなかった。同様の細胞死水準で、超音波誘発OH・生成量は放射線に比べて少なく、ゲノム損傷と応答の原因として、ROS以外の機械的作用の関与が示唆される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
超音波のDNA損傷誘発機構に関して調べ、特に二本鎖切断の生成はキャビテーションによる機械的作用が原因であることを見出した。さらに、その修復機構についても調べ、論文として報告したので、一定の目的を達したと思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
超音波のDNA損傷誘発機構の詳細について、1)修復機構、2)DNA損傷に起因する遺伝子発現変化、3)これを利用した超音波の治療への応用について検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究は継続的に行われており、実験用消耗品、人件費、および旅費に使用予定である。
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Research Products
(3 results)
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[Book] AIP Conf Proc 1359, American Institute of Physics,2011
Author(s)
Furusawa Y, Fujiwara Y, Zhao Q-L, Hassan MA, Ogawa R, Tabuchi Y, Takasaki I,Takahashi A, Ohnishi T, and Kondo T
Total Pages
4
Publisher
10th International Symposium on Therapeutic Ultrasound (ISTU2010)