2012 Fiscal Year Annual Research Report
超高感度MIセンサを用いた非接触携帯型脳波計の開発と医療診断への応用
Project/Area Number |
23650306
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
内山 剛 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00203555)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 晋介 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (30192230)
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Keywords | 脳波 / 磁気センサ |
Research Abstract |
脳神経細胞の電気的活動指標として頭部表面での電位計測(脳波検査)が行われる。この脳波リズムは周波数で分類されており、脳の機能状態を反映する。即ち、脳波の周波数は加齢や覚醒・睡眠、リラックス・ストレス状態によって変化したり、特殊な認知症では特徴的脳波を呈することも知られている。また、左右差が見られる場合には脳の部位的障害が疑われる。このように健康評価や診断に、脳波検査は重要である。しかし従来用いられている脳波計では、電極を頭皮に設置する作業が煩雑であること等から、その使用において制限が多い。本研究では、超高感度MIセンサを用いた磁気による非接触で簡便な脳機能評価装置の開発を目的とする。本装置は小型化が可能であり、SQUIDでは困難な頭部接線方向の磁気活動を簡単に計測できる。 本研究では、脳の神経細胞の活動に伴うピコテスラレベルの磁気(電気)活動を計測できる、パルス励起型MIセンサ技術を応用し、在宅や職場の環境で手軽に診断できる、非接触携帯型脳波計のプロトタイプ機の試作開発を行った。超高感度MI磁気センサの最適化、生活環境下での微小磁界計測技術の確立、および細胞組織を用いた計測空間分解能の検討を行い、マルチチャンネル用小型電子回路の開発、非接触携帯型脳波計の試作を行った。試作プロトタイプ機を用いた実験として、開閉眼による自発性脳波の変化に対応する磁気活動および、外部刺激に対して誘発される脳波(p300)に相当する大脳皮質神経の磁気活動を計測を行った。 複数の被験者に対して実験を行うことにより、超高感度MIセンサを用いた非接触で簡便且つ汎用な脳機能評価装置実用化のための基礎データを取得した。またモルモットから摘出した細胞組織により、坐骨神経の電気活動により生ずる生体磁気の計測を試作機により行った。
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