2011 Fiscal Year Research-status Report
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23650310
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
寺川 光洋 慶應義塾大学, 理工学部, 助教 (60580090)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 低侵襲治療システム / レーザー医療 |
Research Abstract |
本研究の目的は、高速増強近接場光を用いてレーザー推進による高分子導入技術(ナノプラズモニック遺伝子銃)を創出することである。 平成23年度は、フェムト秒レーザー励起増強近接場光を利用し、導入分子をコーティングしていない粒子の加速につき理論計算および実験研究を実施した。理論計算では、有限差分時間領域法(Finite Difference Time Domain method)により金粒子および誘電体粒子の推進速度を増強近接場光から求めた。アブレーションに寄与する基板物質の体積を見積り、そこから粒子が受ける運動量を算出して推進速度を算出した。その結果、金粒子では粒子径100 nmから250 nmでは推進速度はほぼ一定であること、粒子径250 nm以上では推進速度が低下することを明らかにした。また、誘電体粒子としてポリスチレン粒子による増強近接場光を計算し、粒子径約800 nmにおいて粒子速度が極大となることを示した。また、複数の誘電体粒子が近接した条件での増強近接場光の分布変化を計算した。金微粒子は、隣接する粒子との距離により増強近接場光分布が変化することが知られている。粒子間距離が短い場合、増強近接場光は金粒子と基板の接触面よりも粒子間において強く生じる。この分布変化が生じる条件下では、粒子の推進速度は低下すると考えられる。誘電体粒子においても条件により粒子間に増強近接場光が生じることを有限差分時間領域法により明らかにするとともに、粒子推進速度に影響を与えない条件を求めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
理論計算により、金粒子および誘電体粒子の推進速度を増強近接場光から算出した。成果を国際会議および国内会議において発表し好評を得た。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通り、平成23年度からの基礎研究を継続するとともに、レーザー照射方式の検討に着手する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
繰越研究費(約2万円)は購入した一部消耗品の価格改定により生じた。研究は順調に進展しており、繰越研究費は平成24年度研究費と合わせて主としてレーザー照射方式検討の実験研究に使用する。
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Research Products
(3 results)